この記事では、2017年の中央競馬(JRA)の予想に大きな関連がある、競馬騎手エージェントの最新情報をまとめました。同時にエージェントの制度の説明や、廃止問題にも言及します。
※「競馬最強の法則」記事を参考にしていますが、独自調査の内容も含みます。
競馬エージェント 2017年年始の動向
2017年に入り、競馬エージェント関連の話題で最も大きかったのが、Mデムーロ騎手の移籍です。
- 2016年まで … Mデムーロ騎手は、ルメール騎手と同じ、豊沢信夫氏(競馬ニホン)のエージェントと契約していた。
- 2017年 … Mデムーロ騎手は、井上政行(競馬ブック)のエージェントに移籍。
Mデムーロ騎手のエージェント移籍の背景には、2016年にルメール騎手に勝ちクラで大差をつけられたことがあります。腕は少なく見積もって互角、思い切りの良さでは、ルメール騎手以上ですので、「不振」の要因は、エージェントにあると見たのは、誤りではないでしょう。
井上政行(競馬ブック)のエージェントとしての特徴は、安藤勝己騎手(アンカツ)の起用法から明らかだったように、勝負になる馬を絞って提供することです。
- 川田騎手のリーディング順位 2016年 年間3位 → 2017年9月17日 11位
- Mデムーロ騎手のリーディング順位 2016年 年間4位 → 2017年9月17日 2位
このように、川田騎手は馬の質が落ち、9月17日現在11位にランクダウンしています。井上政行(競馬ブック)のエージェントとしての優先順位が、Mデムーロ騎手→川田騎手であることは、明らかです。
2017年のエージェント勢力図
エージェント | 最優先 | 優先2 | 優先3 | 若手 | 備考 |
中村剛史氏(専業) | 戸崎圭太 | 内田博幸 | ノーザンF天栄の場長と太いパイプ(欄外注)。 | ||
武山修司氏(馬三郎) | 三浦皇成 | 吉田隼人 | 木幡育也 | 大野拓弥、蛯名正義は脱退。 | |
森山大地(専業) | 石橋脩 | 津村明秀 | 石川裕紀人 | 現在は、三浦皇成は脱退。 | |
井上政行(競馬ブック) | Mデムーロ | 川田将雅 | 以前は安藤勝己を担当。 | ||
小原靖博(競馬ブック) | 福永祐一 | 岩田康成 | 四位洋文 | 社台系は、ルメール騎手を重用のため、個人大物馬主に注力。 | |
豊沢信夫 (競馬日本) | ルメール | 浜中俊 | 現在は、Mデムーロは脱退。 | ||
櫻井眞人(優馬/旧一馬) | 和田竜二 | 松山弘平 | 松若風馬 | 森裕太郎 |
※戸崎騎手は、サンデーR、シルクの信頼を受ける。内田騎手は、復調。シェイク・モハメド殿下、島川隆哉氏、ノルマンディーとの関係が深い。
2017年のエージェント勢力図は、上の通りです。記事内では、秋の最新状況を記してゆきます。
そもそもエージェントとは?
競馬におけるエージェントとは、芸能人の芸能事務所のようなものです。調教師との間に入り、騎手を検討している馬の能力や、出走予定のレースの相手関係などを考慮し、依頼の引き受けや、騎手への割り振りを決めています。
以前はJRAの管轄外の仕組みでしたが、現在は届け出制となり、一応の公認状態。なお、リーディング常連騎手以外も、話題にならないだけでエージェント加入の騎手が大半です。
競馬エージェント廃止騒ぎとは?
2016年は、有力馬の騎手采配を握るエージェントが、大きな影響力を持ちました。面白くないのが、厩舎・馬主などの競馬関係者。近年は、有力馬を一手に抱える社台系グループの影響力が絶大となり、さらに競馬ムラの外の存在である、「民間人」であるエージェント(競馬新聞記者が大半)にまで翻弄(ほんろう)されては、立つ瀬がありません。エージェント側の「俺たちが競馬を動かしている」のような発言も、火に油を注ぐこととなりました。
強い権限を持つ社台系生産者には文句は言えないためか、2016年末から2017年にかけて、厩舎・馬主など競馬関係者から、エージェントへの批判が強くなりました。JRAは、2017年1月26日に、エージェント制度についての懇談会を内部で開いています。
2017年2月エージェント制度懇談会の内容
- エージェントは、(公正競馬の確保上)競馬記者との兼業でなく、専業にすべき。
- 現在の「ベテラン中堅騎手3人+若手1名」の上限を、合計1名にまで絞る可能性。
- この動きを受け、横山典弘騎手がエージェントを解雇。蛯名騎手が、自分だけを担当するエージェントに変更。
【2017年秋】競馬エージェント最新情報
関東最新情報
関東のエージェントでは、中村剛史氏(=戸崎圭太・内田博幸)が中心。次いで影響力を持つのが、森山大地(=石橋脩・津村明秀・石川裕紀人)。
- 石橋脩 昨年42勝 → すでに43勝(2017年9月17日現在)
- 津村明秀 昨年32勝 → すでに38勝(2017年9月17日現在)
- 石川裕紀人 昨年43勝 → 20勝(2017年7月16日以降療養中)
石川裕紀人療養中は、かつて森山大地が管理していた、三浦皇成に馬が回される可能性があります。
関西最新情報
関西のエージェントは、井上政行(=Mデムーロ・川田将雅)、小原靖博(=福永祐一・岩田康成・四位洋文)の2人(ともに競馬ブック)が強かったのですが、変化が見られます。
櫻井眞人(=和田竜二・松山弘平 ・松若風馬・森裕太郎)の台頭です。松山弘平騎手は、皐月賞の優勝に見られるように、社台系からの信頼が高まっています。
社台系最新情報
競馬エージェントと同格またはそれ以上の影響力を持つのが、社台系生産者の動向です。
- ノーザンF (ムーア・モレイラ) → ルメール → Mデムーロ → 戸崎圭太 →(ローカル)吉田隼人
- 社台F … 騎手起用は厩舎、エージェントが主導か。ただし、ルメール、Mデムーロは重用。
※ルメール、Mデムーロは、休養明けの馬で好成績。また、人気薄でも好成績。
※戸崎圭太、福永祐一は、未勝利・500万で好成績。
※このほか、内田博幸、石橋脩、北村友一、松山弘平、荻野極も戸崎圭太に次ぐ勝負度。
コメント
G1通算2位の岩田JKが外人騎手が来てから、有力馬に乗れてない!外人は制限しないと日本人騎手の技術が伸びない!一考を!