馬場傾向の読み方・見方 今日のトラックバイアスと有利な脚質・枠・血統を調べる方法

マネードラゴン馬券塾
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近年、その重要性がよく言われるようになった「当日の馬場の傾向(トラックバイアス)」。外差し、力を要する、前残りなど、判断が難しいのが実際。馬場の状態を効率よく調べ、判定する方法をお伝えします。

筆者 競馬歴20年 メルマガ・マネードラゴン馬券塾を発行

Step1 穴場券を獲る第1歩は荒れるレースの見極め。その基本が「坂」の有無です。JRAは、坂と直線の長さで、配当を制御しているからです。

Step2 波乱レースの見極めは、コース(坂・直線)×クラス×条件×オッズ×頭数の5要素です。

Step3 波乱レースと判定したら、芝の場合、当日のトラックバイアスを簡単な方法で把握します。ダートは雨量だけで十分。芝でも新馬・未勝利は余り気にしなくて良いです。

Step4 2020年からトラックバイアスに「クッション値」の指標が加わりました。

Step5 購入レースを決め、いよいよ出馬表の検討となれば、まず1番人気の信頼度を検討します。1番人気の取捨こそ、穴場券のカギです。

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芝の馬場状態(トラックバイアス)  これだけ知っておけばよい

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複雑に見える芝の馬場状態ですが、これだけ知っておけばOKです。

「ウイニングポジション」「ウイニングゲート」という考え方が有効です(真田理氏の考案)。日本語でいえば、有利な脚質、有利な枠順となります。

例えば、2021年3月の高松宮記念では、芝が荒れつつあるなか雨が降り馬場の内目が荒れてしまい、ウイニングポジションは「差し」、ウイニングゲートは「中枠」となっていました。

レースでは、差し馬が4着までを独占。枠順は外枠が目立ちますが、能力が高い馬なら、枠がピタリでなくても好走は可能です。

「ウイニングポジション」「ウイニングゲート」は、原則として次のようになります。

開催前半開催中盤開催後半
ウイニングポジション逃げ・先行先行・差し差し・追込
ウイニングゲート内枠中枠外枠
昔からの呼び方絶好の馬場コンディション等
(決まった呼び名がない)
呼び名がない外差し馬場

開催の前半・中盤・後半は、JRA公式サイトのレーシングカレンダーで分かります。2021年の高松宮記念は、中京開催の後半でした(1月にも開催があり、4月は開催なし)。

ただし、G1については、JRAが特別の配慮をしてよい馬場状態に整えようとしますので、例外的な状況が生まれることがあります(開催後半なのに内の先行馬が強いなど)。

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2021年3月頃から、JRA公式サイトで、馬場の写真が出るようになり、非常に分かりやすくなっています。

開催後半のため、内の芝が荒れており、ひづめが土の部分に食い込んでしまう(脚を取られる)力のいる馬場になっていることが、写真からも分かります。

極端に言えば、走りやすい芝コースなのに、内の方だけダートに近い状況で、内を通り距離を稼ぎたい逃げ馬には厳しい条件です(セオリー通り内を通ってスタミナを犠牲にするか、外を回り距離を犠牲にするかの2択)。

芝の馬場状態(トラックバイアス) の調べ方

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競馬のプロは「外差し」「力が要る」などサラリと指摘しますが、その情報源は単に「当日・前日のレース結果」です。

競馬のプロは「外差し」「力が要る」などサラリと指摘し、馬場を見る目に長けているのかな?と思いますが、実は当日・前日の結果を見ているだけです(複数の専門家を観測した結果)。競馬のプロは、メインレースに言及することが多く、午前の競馬結果を踏まえていることが多いです。

  • 土曜の前半レース … 実は馬場状態を判断できる材料がないが、未勝利戦が多く需要も限られるため、あまり問題にはならない。
  • 土曜の後半レース … 前半レースをもとに馬場状態が判断されている
  • 日曜のレース … 土曜のレースや、当日のレースをもとに判断されている

なお、ラジオニッケイ競馬中継では、9時半~10時ごろに、馬場状態に関する騎手コメントを発表することがあります。これは案外大雑把(「やや力が要るなと感じる」など)です。騎手も、自分が乗った馬の視点でしか語れないため、総合的に結果を見た方がよいでしょう。

「当日・前日のレース結果」は、競馬ラボが便利です(「競馬ラボ 結果」で検索)。

2021年の高松宮記念記念の直前までの結果です。まず枠順を整理します。複雑になるため、3着馬はカットします。枠番は色で示されていますので、競馬新聞のカラー面や、JRA公式サイトの出馬表を見ながら整理します。

枠順脚質
4R3-7(内枠‐外枠)
5R2-7(内枠‐外枠)
7R4-6(中枠‐中枠)
9R6-8(中枠‐外枠)

脚質も整理します。

枠順脚質
4R3-7(内枠‐外枠)先行・先行
5R2-7(内枠‐外枠)逃げ・先行
7R4-6(中枠‐中枠)逃げ・先行
9R6-8(中枠‐外枠)差し・追込
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雨が降り続けるなか、徐々に内が掘り返され、柔らかくなり、力を要するようになり、外目の枠・差しに傾いてゆくことが分かります。

ヒント 馬番や枠番まで考慮すると混乱しますので、内枠(1・2・3)、中枠(4・5・6枠)、外枠(7・8枠)で、2着まで見ると決めておくのがおすすめです。

メルマガでも、外差しで配信しています。

(参考)一言で「傾向」といっても、当日の馬場傾向なのか、該当レースの過去10年の傾向なのか、コースそのもの傾向なのか、3つの切り口があります。土台となる要素が、そのときどきの要素にどれだけ変形を受けるかということですが、この比重のかけかたが、予想の個人差ともなります。

最初は、枠順・脚質を見ればよいと思いますが、外枠の馬がずっと外を回るとは限らないように、枠順という指標には限界もあります。そこで、直線のどこ(内・中・外)を通ったかも焦点になってきます。

即座に情報を出しているサイトはないため、レースVTRを見る必要があります。上位5頭の通った経路を把握せよという人もいますが、作業が煩雑です(「ウイニングポジション」「ウイニングゲート」を推奨しているのは、位置取りや枠順をシンプルにとらえている点からです)。シンプルに1・2着馬の通った経路を確認します。

枠順脚質直線の経路
4R3-7(内枠‐外枠)先行・先行中‐内
5R2-7(内枠‐外枠)逃げ・先行内‐内
7R4-6(中枠‐中枠)逃げ・先行中‐内
9R6-8(中枠‐外枠)差し・追込内‐外
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直線での経路を見ても、雨が降り続けるなか、徐々に外を通った馬が台頭していることがわかります。

なお、直線の経路(内・中・外)を見れば枠順は要らないのでは?という意見もありそうですが、現在の多頭数競馬では、内枠の馬は内目、外枠の馬は外目を回ることが多いのは事実。逃げた馬や最後方の馬は内外を選べますが、ほかの馬は馬群のなかにいるため、経路の変更は容易ではありません。

また、馬場は直線だけが荒れるわけでなく、向こう正面や3コーナーも荒れることがあり、この影響は枠順と深いかかわりがあります(直線の経路とはあまり関係がない)。

ヒント 枠順、脚質、経路とも、1着馬と「3着以内で最も人気薄の馬」をチョイスしてもよいでしょう。1着を取るのは、2・3着馬に比べ数段難しく、人気薄での入着は、馬の力でなく馬場差に依存しての好走とも取れ、意味があるからです。ただ、この手順は予想の流れのごく一部ですので、素早くデータが取れる1・2着馬に絞ってもよいです。

参考までに、血統を気にする方は、血統も整理してみてください。やはり、競馬ラボが便利です(「競馬ラボ 結果」で検索)。

枠順脚質血統
4R3-7(内枠‐外枠)先行・先行ニアークティック・ロイヤルチャージャー
5R2-7(内枠‐外枠)逃げ・先行ニアークティック・ネイティブダンサー
7R4-6(中枠‐中枠)逃げ・先行ネイティブダンサー・ロイヤルチャージャー
9R6-8(中枠‐外枠)差し・追込ロイヤルチャージャー・ロイヤルチャージャー

雨が降り進むにつれ、ロイヤルチャージャー系の占有率が上がっています。競馬ラボでは、馬ごとの系統も調査できます。例えば、高松宮記念記念で2着だったレシステンシアは、以下のようになります。

系統には、サンデーサイレンス系とありますが、これはまた別の意味の「系」ですので、色を見ます(ピンク色)。ピンク色は、上の凡例通り、ロイヤルチャージャー系となります。なお、ここでは初心者向けに系統を見ていますが、血統を重視している人は、種牡馬も確認しているようです。

Twitterでの確認も便利

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当日や前日の結果から「中枠の差し」のように予想しても、本当に正しいか気になりますよね。その場合、Twitter検索が便利です。

Twitterでは、馬場状態に詳しいファンがつぶやくこともあり、例えば「高松宮記念 馬場」のように検索してみてください。失礼ながら、ほとんどが素人見解です。しかし、少し時間を要するものの、うまく探すと専門的な見解に出会うことがあります。

このツイートで可能性ありとされていたエイティーンガールは、12番人気7着(勝ち馬と0.4秒差)となり、かなり健闘しています。

芝の馬場状態(トラックバイアス) 応用編

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芝の馬場状態ですが、走法やフットワークも参考にすることができます。

「ウイニングポジション」「ウイニングゲート」という考え方が基本ですが、ベテランの方は、走法やフットワークを見てもよいです。

開催前半
(絶好のコンディション)
開催中盤開催後半
(外差し馬場)
ウイニングポジション逃げ・先行先行・差し差し・追込
ウイニングゲート内枠中枠外枠
走法歩幅が小さい
(ピッチ走法)
歩幅が割と大きめ歩幅が大きい
(大跳び、ストライド走法)
フットワーク(脚さばき)軽い
(固い馬場なら上りが相当速い)
普通重い
(上りはそこまで速くないが、スタミナを生かしバテずに差す)

走法やフットワークは、レースのVTRを見てわかる人はほとんどいません。そのため、競馬新聞での、記者や関係者のコメントが参考になります。

またTwitterで上手に検索すると、詳しい人がツイートしていることもあります。

レシステンシアは1番人気で2着でしたが、ピッチ走法の分、大跳びのダノンスマッシュに負けたとも言えます。(ピッチ走法は、足が滑りにくく、ぬかるんだ馬場にも強いとされますが、この日は2頭とも外を通ったため、芝が良くぬかるんではいなかったと考えられます)

人気の一角だったラウダシオンも大跳びでしたが、出遅れてMデムーロ騎手が仕掛けたところ、かかって前に行き、当日の馬場(外差し)に合わなくなったのが敗因です。

JRA公式動画

10番のラウダシオンは、デムーロ騎手が後傾姿勢となり、抑えようとしますが、前に行ってしまいました。M.デムーロ騎手は、「行きっぷりが良かったし、状態も良かったです。でも、馬場に脚を取られて、かわいそうでした」とコメントしていますが……。

ダートの馬場状態(トラックバイアス) これだけ知っておけばよい

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ダートではあまり聞かないトラックバイアスですが、実際に馬場は安定しており、あまり気にしなくて大丈夫です。

ただし、次のような知識は活用できます。

[基本]新馬・未勝利では、逃げ・先行が有利

実はキャリアの浅い馬は、前に行って粘る走りしかできません。前が取れない、スタミナがあるなどの要因から、徐々に差しを覚えてゆく馬もいますが、そのころには1勝クラスに上がっているもの。原則として、新馬・未勝利では、逃げ・先行馬が有利です。

なおときどき、善戦をくりかえしているうちに、差しを覚えてしまう馬もいます。

[基本]稍重・重・不良では、逃げ・先行が有利

ダートは砂浜と同じで脚を取られるため力を要しますが、水分を含むと脚を取られにくく、高速馬場となります。前に行ってもスタミナが減らないため、逃げ・先行馬が有利になります。

[基本]府中のダートは、非常に特殊

JRAのコースは、中央・ローカルに分けることが多いですが、ダートは府中・その他に分けるのが妥当です。府中コース(東京競馬場)は、大型で、カーブより直線部分の占める割合が高く、適性がほかの競馬場とかなり異なります。府中では府中巧者を狙います。

[基本]厳冬期のダートは、凍結防止剤で力が要る馬場に(スタミナ型)

凍結防止剤の影響は、専門家でも意見が分かれますが、近年は有力な専門家が「力が要る馬場に(スタミナ型)」という見解にそろいつつあります。馬体重が大きめでパワーがある人気馬が強くなり、下位人気の出番が減ります。フェブラリーステークスの時期からは、通常の馬場です(逆に言えば、フェブラリーステークスは、厳冬期の特殊馬場が終わるタイミングに設定されています)。

以下はマニア向けです。知らなくても構いません。

⑤[応用]行きの稍重(降雨中)では、内やや不利となることも

ダートの馬場は、内向きに少し傾斜があるため、レース当日に雨が降ると砂が流され、内が深くなること言われます。とくに稍重の段階で、影響が出ることが多いように感じます。

⑥[応用]戻りの稍重(晴天)では、内やや不利となることも

晴天の競馬で、稍重→良と回復してゆくことを、戻りの稍重と呼ぶことがあります。ダートの馬場は、内向きに少し傾斜があるため、内の水が抜けて乾きやすく、スタミナが減るため、内を走る馬がやや不利とも言われます。

なおダートの1枠は、有利なイメージがあるかも知れませんが、良馬場では、砂を被ることから成績が悪く、稍重では⑤⑥の理由から勝ちきれない傾向があります(2016~2020年、1枠の単勝回収率は55%で断トツの最下位)。重・不良では、水分が浸透し内外がフラットになるため、距離の分、成績が良くなります。

⑦[応用]地方競馬では内の砂厚をわざと厚めにしていることも

地方競馬では、競馬場ごとに砂質が異なります(大井・川崎が軽く、ほかは普通か重め)。また、地方競馬は小回りで坂がなく、砂を均等にならすと、イン先行の逃げ切りが多発しギャンブルにならないため、内の砂を厚めにしているという説もあります。ただし、これは騎手も気づいているはずで、逃げ馬は、少し内を空けるのではないかと思います。

ダート競馬は、メルマガ・マネードラゴン馬券塾でくわしく解説しています。

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