オークスでハローユニコーンに騎乗予定だった田辺裕信騎手が、5月21日の東京5Rのネコビッチに騎乗中に落馬しました。
※オークスのハローユニコーンは柴山騎手に変更になりました。
東京5Rで田辺騎手が落馬負傷 重大な事故の可能性も
馬柱出典:KLAN無料データべース
東京5Rで田辺騎手が騎乗したネコビッチは、未勝利戦7戦目で勝ち上がり、500万下のレースに初挑戦。強豪ぞろいのため、7番人気の評価でした。
- 3コーナー 2,7(4,11,15)(13,14)(9,16)-(10,12,5)6(1,8)3
- 4コーナー 2(7,11)(4,15)(14,16)(13,10,12)(9,5)(6,8)-1,3
ネコビッチは、いつものように後方からレースを進めます。
田辺騎手とネコビッチは、13番手で4コーナーに入りましたが、直線を向くと一気に加速します。そのときでした。突然馬がバランスを崩し急減速。田辺騎手は、前方に投げ出されてしまいます。
仕掛けた後だったので、速度は上がっているとは言え、ダートで後方から進めたため、受け身を取れば軽症で済んだ可能性が高いです。
しかし、不運なことに、ネコピッチ自身が、前方に落馬した田辺騎手を避けきれず、踏んでしまった可能性があります。踏んだ部分が、手足等であれば怪我で済む場合もありますが、過去の落馬事例を考えても、頭や内臓にダメージを受けている場合は、非常に心配されます。
馬は、非常に臆病な動物で、死角となる真後ろに何かの気配を感じた場合に反射的に蹴ってしまう以外、人間に害を加えることは、まずありません。落馬した騎手も、きれいに避けることが大半ですが、今回はすぐ目の前のことで、避けきれなかった可能性が大きいです。
馬のネコビッチ自身は、バランスを崩したあとすぐに、走り始めており、命に別状はない様子です。レース後は、自分の脚で担当厩務員のもとに戻ったとの情報があります。
【追記】田辺騎手の続報
- 田辺騎手は肩と足の痛みを訴えているものの、歩くことも話すこともできていた(スポーツ紙記者)
- 田辺騎手は頸椎捻挫と右肩関節挫傷との診断(JRA 13時頃)
- ネコビッチは右前肢跛行(JRA 13時頃)
注 頸椎(けいつい)捻挫(ねんざ)… 首の骨の関節に強い力が加わり損傷を起こしたことによる、痛み・熱感・腫れなど。ラグビー選手などに多い。骨自体には異常がなく、頚椎の怪我としては重くはないが、事故の現場から医療機関まで、医療従事者による正しい処置が必須で、数週間以上の加療が必要となることが多い。
注 挫傷 … 皮膚の表面は傷つかず、その下の組織が傷つくこと。
落馬したネコビッチの仕上がり状況と落馬の理由
ネコビッチは、未勝利戦を勝ち上がった後、茨城県の高橋トレーニングCで休養し、美浦で5本の調教を済ませ参戦していました。調教の量や仕上がり具合は、総合的に判断して普通程度。特に、急仕上げ等の問題はなかったようです。馬体重は+4キロで、成長分も加味すれば、太すぎたということもありません。
レースをよく見直すと、4コーナーの加速は非常によく、直線入口で、前の馬に追いついてしまい、行き場に迷う場面がありました。このときに、前の馬と接触したとのことです(JRA発表)。簡単に言えば、前の馬よりも脚色がよく、急行列車が普通列車に追突したような形でした。
馬のタイプとしては、スタート後のダッシュが悪い、つまりトモが弱い馬です。今回も例によって後方を進みましたが、3角から4角にかけて、外目を軽く追う程度でグングン追い上げる形で、体調は万全だったように見えます。
田辺騎手は近年頭角を表してきた騎手で、今年もリーディング上位です。無事をお祈りしています(その後、頸椎捻挫と右肩関節挫傷との診断)。
※JRA公式サイトより
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