
ダートから芝替わり、芝からダート転向の狙い方を説明します。
内容は目次から。
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ダートから芝替わりは、儲からなくなった?

ダートから芝替わりは、力のいる砂の馬場から、軽い芝へスイッチすることで、馬に楽に走れる感覚を与え、好走を促すものです。データはどうなっているのでしょうか?
分類 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
ダート→芝 | 305- 345- 381- 9781/10812 | 2.8% | 6.0% | 9.5% | 72 | 68 |
芝→芝 | 6980- 6955- 6900-68215/89050 | 7.8% | 15.6% | 23.4% | 70 | 73 |
ダートから芝替わりの好走パターンは、非常に有名ですが、過去5年間の数値をみると、非常に厳しいものになっています。なぜなのでしょうか?
いまから10年前、2010年のデータを見てみます。
分類 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
ダート→芝 | 89- 83- 101- 2170/ 2443 | 3.6% | 7.0% | 11.2% | 101 | 78 |
2010年のデータを見ると、芝替わりの馬の単勝回収率は100を超えます。芝替わりの馬を全て買っても、プラスになっていた計算です。
お察しの通り、競馬ファンにダートから芝替わりが浸透し過ぎ、過剰に買われるようになったことが要因です。そのため、ほかの要素を盛り込み、いかに厳選するかが重要です。
ダートから芝替わりはどのように狙うべきか?

ダートから芝替わりは、実際の馬券では、どのように狙うべきなのでしょうか?
日本競馬では、大まかに言えば能力が高い馬が芝、そうでない馬がダートという棲み分けとなっています。ダートから芝への転戦は、野球の1軍から2軍への移籍と同じで、本来は厳しいものです。
そのため、芝適性がかなりの精度で確実でないと、勝負はできません。

上の事例では、7番のカズマークセンがダートから芝替わりです。
①まずレース全体のレベルを見ます。メンバーに勝ち負けできる馬が多い場合、仮に芝適性があっても激戦になります。このことは、見落とされがちですので注意します。
②まず馬体重を見ると500キロを超える巨漢で、芝適性を考えるとややマイナス。
③つぎに血統を見ます。亀谷敬正氏の理論をご存知の方は、欧州型血統かどうか確認します。ご存知でない方は、馬名で検索すれば、ネットケイバのサイト(下に表示)が出ますので、父、母、母の父の順で確認します。ディープインパクトは、ご存知芝血統ですのでプラス評価です。
ヒント パドックまでは使う必要がないですが、気になる方のために、後日見方を掲載しておきます。
④つぎに芝出走歴があれば確認します。カズマークセンは、芝を1.5秒差で走ったことがあり、芝適性はなくはないとの評価ができます。

⑤つぎに、距離の変化を確認します。カズマークセンは、1700ダ→2000芝ですので、先行のこの馬にとっては、ペースが落ちて楽になりますのでプラス評価です。
差し馬なら前が苦しくなる距離短縮がよく、未勝利馬は脚質に関係なく総じて距離短縮を好みます。
⑥つぎに陣営のコメントを確認します。注目度が高いオープンや重賞では、馬主の機嫌を損ねないコメントも多いですが、未勝利や条件戦では、正直なコメントがかなり多くみられます。このレースは1勝クラス(条件戦)です。
カズマークセンは、「広いコースで上がりを要した方がいいので、雨の残りそうな芝を使います」とかなり具体的なコメントをしています。芝で変わり身がないかな、のように馬主を意識した漠然とした内容ではなく、プラス評価できます。
⑦最後に、勝負気配を確認します。騎手の乗り替わり、外厩での調整を挟む、馬体重の大きな変化、馬具の変更などがヒントとなります。カズマークセンは、横山武→浜中ですのでプラス評価できます。

結果は1着。1人気でしたが、単勝300円なので、悪くはない配当です。
ダート→芝替わり サンプルレース

記事を改訂した週から、サンプルレースを選びます。まず、芝の能力がはっきりしている未勝利戦、出走馬のレベルが高い、オープン戦は外します。また、スピード戦となる短距離は、ダートのペースに慣れた馬にはきつく、7月25日の新潟12R(芝1600m)を選びました。


ダートから芝替わりの馬は、5頭もいますが、今回は単純に父オルフェーブルに目をつけ、11番を選びました。近年は、競馬新聞の記者も、芝替わりはチェックしますので、可能性があれば、ある程度人気になっているものです。
(未知数の部分があり、また記者が丹念にチェクしない未勝利クラスを除く)
以上から、複勝が有望です。前走のダートは、試走なのか、前に行かせダートの厳しさを経験させる意図なのか分かりませんが、11週休ませたのは好感触です。

結果は残念ながら5着。仕掛けただけで位置どりを上げ、直線では余裕の手応えでしたが、切れ負けした印象。陣営がダートを使ったのも、切れ味に限界を感じたからかも知れません。次走は、立て直して、直線が短いローカルというところでしょうか?

ダートから芝替わりは、野球で言えば2軍→1軍の要素があるため、激走は簡単ではありません。どう考えても芝の方が良いのでは? と確信を持てる馬を狙うべきで、簡単ではない印象です。
ほか4頭の芝替わりの馬も、全て敗れました。
芝からダートは替わりどのように狙うべきか?

前走コースグループ名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
ダート→ダート | 6880- 6922- 6861-71366/92029 | 7.5% | 15.0% | 22.5% | 76 | 75 |
芝→ダート | 808- 766- 813-14017/16404 | 4.9% | 9.6% | 14.6% | 70 | 68 |
芝からダートはどのように狙うべきでしょうか? データを見るとあまりかんばしくはありません。
日本競馬では、大まかに言えば能力が高い馬が芝、そうでない馬がダートという棲み分けとなっており、ダート→芝よりはよいですが、ダートにはダートのスペシャリストが多く、はね返されてしまうことも多いのです。
そのなかでも、芝からダート替わりが狙えるのは、冬や春の時期の未勝利戦でしょう。この時期は、馬主や陣営の欲目から、一応芝を使ってみたという馬がダートに転戦してきたり、芝も勝負になるが決め手が甘い馬が、必勝態勢でダートに臨むことがあります。
また、未勝利戦に限らず、血統などからダート向けの要素を見極めるのもコツです。なかには、芝で何となく勝ち上がったが、ダートに出したら激走したという馬もいます。
ダート向けの要素
- 血統 … 意外だが、ディープインパクト、ロードカナロアが現在は強い。
- 馬体が大きい … 力のいる砂地に合う。馬格ともいう。
- つなぎが短く、立っている … つなぎとは、蹄(ひづめ)と脚の間、人間なら靴下のイメージ)。つなぎが短く立っていると、砂に脚を取られにくい
- 胸前が大きく、肩まわりの筋肉量が多い … 馬を前から見て、胸が大きく、肩の筋肉量が多い。ダートは、芝と異なり、前脚の動きもカギになる。
- 胴や脚は短くてもよい … 芝のような高速の上がりは出ないため。人間でも、短距離ランナーは足が長い方が良いが、プロレスラーは短足で良い。
- 乗り味、歩様が硬く、走りが重い … 下手に柔軟性がない方が、柔らかい砂地をしっかり捉えられる。
- 気性が強い … 蹴り上げられた砂を気にしない。
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