競馬のヒモ馬(相手馬)の選び方が分からない方のためのページです。
未勝利戦のメルマガ(マネードラゴン馬券塾)を発行しています
競馬予想でのヒモの選び方
軸馬は予想できても、ヒモ馬の予想が難しいのですが?
はい。軸馬については、近走の着順、時計、距離・コース実績、騎手、脚質などを参考に、勝ちそう、または連対なら確実にできそうな馬を選べます。しかし、軸に選ばなかった馬は、今ひとつ物足らない馬が多く、ヒモ(相手)を選ぶ難しさを感じているのではないでしょうか?
これは、ヒモ馬選びに、軸馬選びの発想が入り込んでしまっていることに原因があります。軸馬は、そのレースを何度くり返しても上位に来るようなデータの馬が求められますが、ヒモ馬は、偶然の要素が多くあります。そのため、軸馬と同じ方法で考えても、人気薄の馬は、まずピックアップできません。
とりあえずヒモ馬を選ぶなら、次の3つの方法が挙げられます。
- 方法1 1点豪華主義で選ぶ
- 方法2 本紙予想者の印を参考にする
- 方法3 過去のデータを確認する
方法1 1点豪華主義で選ぶ
ヒモ馬を、1点豪華主義で選ぶとは、どういうことですか?
軸馬は、近走の着順、時計、距離・コース実績、騎手、脚質など、総合力で選びますが、ヒモ馬は、何か1つ秀でたところがあれば、それで合格とします。とくに人気薄の馬は、着順や時計などは目も当てられない馬が多いですので、1点豪華主義が有効です。
- 騎手の乗り替わり(下位→上位騎手、非減量→減量騎手)
- 調教状態の激変(競馬新聞の調教評価などを利用)
- 展開利(逃げそうな馬、前が止まれば台頭する馬)
- 血統(競馬ラボのレース傾向で検索し、その日走っている系統を選ぶ。画像)
- 条件の激変(芝→ダート、ダート→芝、距離の延長や短縮)
- ブリンカーの着用、馬装具の着用(パシファイアーなど、厩舎コメントに出ることがある)
- 厩舎の勝負気配(厩舎が強気。重賞以外では、厩舎コメントは本音が多い)
- 近走人気だが凡走(能力自体は高いことが多く、巻き返しの可能性)
- オッズの異常(予想オッズより売れ行きがよい、異常投票があったなど)
- 前走でコース取り不利(VTRを見て、外を回った馬。コーナーで1頭分外を回るごとに1~2馬身不利という計算。例えば、4角を4頭目で回った場合、4~8馬身の不利)
- パドックで激変(ラジオニッケイでは、発走20分前頃パドック解説がある)
- 1年以上前でも良いので、過去にその条件で激走したことがある(スペシャリスト)。
例えて言えば、軸馬は、勉強もスポーツも人間関係も万能という子を選ぶ作業ですが、ヒモ(相手)選びは「モノマネがうまい」「国語だけできる」「ニュースに詳しい」など、1つだけの要素に目をつけ、他を一切見ない方法が適しています。
1番強いのが1着馬で、2番目が2着馬、3番目が3着馬という先入観を捨てることが大切ですね!
その通りです。1番強い馬は1~3着に入る可能性が高いですが、2・3着は、人気に関わらず「何らかのよい点を持った馬」や「能力が足らない馬」が着順掲示板を埋めます。
これは、上位人気馬は「1着」でしか評価されず、互いに強く意識し合う競馬をして、脱落馬が出るなか、「2・3着」でも評価される中~下位人気の騎手は、その争いの外から競馬をするので、能力が足らなくても、上位に残る仕組みだからです。
方法2 有能な本紙予想者者の印を参考にする
競馬新聞の本紙予想は、本命ばかり◎を打っていて、全く参考にならないと思っていましたが?
はい。10年以上前ならそのようなことも、あったかも知れません。
しかし、不景気が進むにつれ、ファンの見る目はシビアになっており、お遊びの予想、単に当てに行く予想は、競馬新聞の売上に結びつかなくなっています。そもそも、競馬新聞自体が減っており、そのなかで本紙予想担当に選ばれるのは、簡単なことではありません。
また、PCが普及しており、どの予想家も成績はデータで丸裸です。本紙予想家が、ベテランの競馬ファンでも聞いたことがない用語を知っていたり、ラジオニッケイ(旧ラジオたんぱ)などで鋭い解説を見せたりすることもよくあります。
本紙予想家は、強い1番人気馬をあえて軸(◎)に取らずに外した場合、他紙との比較から、責任を問われます。そのため、強い1番人気には◎を打たざるを得ない縛りがあります。その状況で、年間収支の数値を上げるために、ヒモ選びはかなり熟練した人が多い傾向です。そのため、有能な本紙予想家の△印などをヒモに採用する手があります。
なお、競馬新聞の予想欄で、1番上の段や下から2段目(本紙の真上)には、その競馬新聞の有力な予想家が配置されることがあります(競馬新聞によって異なるため、目立つ記名コラムを持っているかで判断)。彼らは、人気に縛られない◎を打てる立場のため、ヒモよりも、◎印を参考にするとよいです。
方法3 過去のデータを確認する
方法1、方法2については、気軽に採用でき勉強にもなるのでおすすめですが、データの蓄積が難しい面があります(すべて手作業になるため)。データの蓄積がないと、結果が出ている要素、出ていない要素の判断が難しくなり、感覚に頼らざるを得ません。
そのため、ターゲットフロンティアなどを使い、過去のデータに頼る方法も有力です。
例えば、2020年の有馬記念で、9クロノジェネシスを軸馬に選んだとします。このとき、ヒモ馬選びのために、過去の長距離(2200m以上)のオープン、重賞戦での人気別データを見てみます。
印 | 人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
1番人気 | 74- 38- 25- 63/ 200 | 37.0% | 56.0% | 68.5% | 90 | 91 | |
2番人気 | 29- 30- 27- 114/ 200 | 14.5% | 29.5% | 43.0% | 70 | 71 | |
△ | 3番人気 | 33- 21- 37- 109/ 200 | 16.5% | 27.0% | 45.5% | 100 | 94 |
△ | 4番人気 | 17- 23- 29- 131/ 200 | 8.5% | 20.0% | 34.5% | 77 | 87 |
5番人気 | 13- 24- 12- 151/ 200 | 6.5% | 18.5% | 24.5% | 73 | 71 | |
△ | 6番人気 | 12- 15- 24- 148/ 199 | 6.0% | 13.6% | 25.6% | 87 | 89 |
△ | 7番人気 | 10- 16- 10- 161/ 197 | 5.1% | 13.2% | 18.3% | 95 | 79 |
8番人気 | 5- 10- 8- 172/ 195 | 2.6% | 7.7% | 11.8% | 59 | 57 | |
9番人気 | 1- 7- 7- 178/ 193 | 0.5% | 4.1% | 7.8% | 9 | 43 | |
10番人気 | 1- 7- 7- 171/ 186 | 0.5% | 4.3% | 8.1% | 28 | 53 | |
△ | 11番人気 | 3- 4- 4- 160/ 171 | 1.8% | 4.1% | 6.4% | 88 | 63 |
12番人気 | 1- 4- 5- 147/ 157 | 0.6% | 3.2% | 6.4% | 59 | 68 | |
13番人気 | 0- 1- 3- 132/ 136 | 0.0% | 0.7% | 2.9% | 0 | 31 | |
14番人気 | 0- 0- 1- 123/ 124 | 0.0% | 0.0% | 0.8% | 0 | 7 | |
15番人気 | 0- 0- 0- 105/ 105 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
集計期間:2014. 1. 6 ~ 2021. 1. 5
回収率80%以上になっているのは、3・4・6・7・11番人気ですね。
はい。結果は、11番人気のヒモが2着に来て、馬連は万馬券になっています。サラキアは、エリザベス女王杯(G1)2着馬でしたが、この年の豪華メンバーでは選びにくいはず。それは「軸馬選びの思想」が入り込んでいるからです。
中位人気や下位人気の馬は、2~3着を取れば陣営から評価され、騎手は次の依頼につながります。上位人気は1着しか評価されないため思い切った作戦は取れませんが、サラキアは4コーナーで12番手という作戦を選び、力不足をカバーして2着に入りました。
このようにヒモ馬は、別の世界線にありますので、主観が入らない選択方法や、1点豪華主義が向いています。
(中級者向け)データは切り取ったときの統計分母(n)カギ
中級者向けのコーナーです!
過去のデータを参照する場合、ターゲットフロンティアが便利です。今回は、「長距離(2200m以上)のオープン、重賞戦」で切り取りましたが、この切り取り方が大きなカギになります。
例えば「中山競馬場の長距離(2200m以上)のオープン、重賞戦」で切り取ると、より正確なデータとなります。
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 14- 12- 3- 11/ 40 | 35.0% | 65.0% | 72.5% | 89 | 98 |
2番人気 | 6- 6- 5- 23/ 40 | 15.0% | 30.0% | 42.5% | 76 | 71 |
3番人気 | 5- 6- 10- 19/ 40 | 12.5% | 27.5% | 52.5% | 80 | 103 |
4番人気 | 7- 1- 7- 25/ 40 | 17.5% | 20.0% | 37.5% | 149 | 95 |
5番人気 | 2- 3- 1- 34/ 40 | 5.0% | 12.5% | 15.0% | 42 | 39 |
6番人気 | 2- 0- 7- 31/ 40 | 5.0% | 5.0% | 22.5% | 62 | 83 |
7番人気 | 3- 4- 2- 31/ 40 | 7.5% | 17.5% | 22.5% | 167 | 120 |
8番人気 | 1- 3- 1- 35/ 40 | 2.5% | 10.0% | 12.5% | 42 | 64 |
9番人気 | 0- 2- 2- 36/ 40 | 0.0% | 5.0% | 10.0% | 0 | 55 |
10番人気 | 0- 1- 1- 36/ 38 | 0.0% | 2.6% | 5.3% | 0 | 49 |
11番人気 | 0- 2- 1- 33/ 36 | 0.0% | 5.6% | 8.3% | 0 | 80 |
12番人気 | 0- 0- 0- 34/ 34 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
13番人気 | 0- 0- 0- 27/ 27 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
14番人気 | 0- 0- 0- 24/ 24 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
15番人気 | 0- 0- 0- 23/ 23 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
集計期間:2014. 1.26 ~ 2020.12.27
中山競馬場に限定したデータのため、正確性は上がります。しかし、統計分母が40となり、再現性に疑問があるデータとなってしまいます。例えば、くじ付きのアイスクリームを200回買って40回当てた人(20%)は、かなりの強運があり、今後も当たり続ける可能性(再現性)があります。
なるほど。5回買って1回当てても確率は20%ですが、まぐれの可能性が高く、再現性は厳しいですね!
はい、その通りです。上のデータなら、平均して20%前後のデータ(連対率)を拾う訳ですので、金融投資に用いられる統計的な手法で計算すると、500回の統計分母(n=500と表現されることが多い)が必要です。
- 中山競馬場の長距離(2200m以上)のオープン、重賞戦<良馬場> n=40
- 長距離(2200m以上)のオープン、重賞戦<良馬場> n=200
比べれば、データは不足気味とはいえ、下の方がずっと信ぴょう性があります。
(上級者向け)データは切り取り方そのものがカギ
最後に、上級者向けのコーナーです!
最後に、上級者向けのお話をします。今回は、「長距離(2200m以上)のオープン、重賞戦<良馬場>」「中山競馬場の長距離(2200m以上)のオープン、重賞戦<良馬場>」というくくりで切り取りましたが、この切り取り方そのものが、本質的に非常に重要です。どう切り取るかに、経験値や分析の深さが出るということです。
例えば、芝1400m戦向けのデータを切り取る場合、どちらで切り取るでしょうか?
- 芝1000~1400m
- 芝1400~1600m
自分なら、1番を使います(分母が十分なら1200~1400mとする)。芝では、1400mと1600mの走り方や適性はかなり異なりますし、芝の1000は、新潟競馬場のみとなり、特殊なコースだからです。
このように、過去データの本質は、切り取り方と統計分母数のバランスにあります。くわしくは、メルマガ(マネードラゴン馬券塾)でも触れてゆきます。
コメント