ダートでは、どんな血統や特徴を持つ馬を、狙えば良いのでしょうか? ダートで走る馬の血統や特徴を整理しました。
GⅠチャンピオンズカップ コースの傾向は? 中京ダート1800mの特徴、有利な馬や枠順、得意な騎手は?
順位は勝率順です。新馬戦から重賞まで、全クラスを対象に、過去5年に、産駒の出走回数300以上(総合ランキングは600以上)の種牡馬を集計しました。
ダートに強い種牡馬 総合ランキング
総合ランキングは、最低出走回数を600回に設定。これにより、データの正確性が増し、レア過ぎて予想に利用できない種牡馬をカット。さらに、新種牡馬も活躍すれば対象内に入る、絶妙な設定です!
順位 | 種牡馬 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 | 短距離 | マイル | 中距離 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
🥇1 | ドレフォン | 12.9% | 30.0% | 81 | 75 | 🥇1 | ||
🥈2 | ドゥラメンテ | 10.6% | 27.2% | 80 | 70 | 🥉3 | ||
🥉3 | ヘニーヒューズ | 10.3% | 28.8% | 76 | 83 | 🥇1 | 🥈2 | |
4 | キングカメハメハ | 10.2% | 27.2% | 103 | 86 | 10位 | 🥈2 | |
5 | キズナ | 10.2% | 27.2% | 92 | 80 | 🥇1 | 4位 | |
6 | モーリス | 10.0% | 22.5% | 90 | 68 | |||
7 | ロードカナロア | 9.6% | 25.8% | 77 | 76 | 🥈2 | 🥉3 | |
8 | オルフェーヴル | 9.5% | 25.7% | 92 | 76 | 5位 | 7位 | |
9 | エスポワールシチー | 9.3% | 25.6% | 81 | 82 | 10位 | 5位 | |
10 | シニスターミニスター | 9.2% | 25.2% | 112 | 92 | 9位 | 5位 | 8位 |
11 | ハーツクライ | 9.2% | 24.4% | 65 | 64 | 6位 | ||
12 | ホッコータルマエ | 9.0% | 26.1% | 105 | 90 | |||
13 | ディープインパクト | 8.6% | 22.6% | 68 | 77 | 9位 | ||
14 | カジノドライヴ | 8.5% | 22.0% | 76 | 81 | |||
15 | サウスヴィグラス | 8.5% | 23.8% | 80 | 74 | 🥉3 | ||
16 | マクフィ | 8.4% | 23.2% | 63 | 70 | |||
17 | リオンディーズ | 8.4% | 23.3% | 93 | 96 | |||
18 | カレンブラックヒル | 8.4% | 25.3% | 117 | 95 | |||
19 | パイロ | 8.3% | 24.2% | 92 | 79 | 4位 | ||
20 | マジェスティックウォリアー | 8.1% | 26.3% | 66 | 81 |
2023年、ドレフォンが初登場1位を飾りました。ヘニーヒューズは、総合3位でしたが、短距離・マイルでベスト3入り。また、芝種牡馬のイメージが強いのか、キングカメハメハの単勝回収率が100を超えました。
GⅠチャンピオンズカップ コースの傾向は? 中京ダート1800mの特徴、有利な馬や枠順、得意な騎手は?
ヘニーヒューズ
現役時代はアメリカの短距離~マイル路線で活躍しています。産駒はモーニン(フェブラリーステークス)などです。
- 筋肉質で大型の産駒を出しやすいため、父同様マイル以下に強い。
- 早熟な産駒が多い。
- 馬群のなかや砂を被ってもひるまない産駒が多く、ダートではかなり有利。騎手の選択肢も広がりやすい。
- 距離短縮で結果を出す傾向。
キングカメハメハ
2019年に種牡馬を引退しました。ダートでは、中長距離に強い種牡馬ですが、マイルも守備範囲です。
- クセがなく、母馬の特徴が産駒に反映しやすい。
- スピードも豊富で、稍重以下のダートでも、成績が全く落ちない。
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ダート重賞に強い種牡馬 ランキング
ダートの重賞は数が限られますので、過去10年、30出走以上の種牡馬をランキングしました。
種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
🥇シニスターミニスター | 9- 4- 6- 59/ 78 | 11.5% | 16.7% | 24.4% | 88 | 79 |
🥈ハーツクライ | 5- 1- 3- 48/ 57 | 8.8% | 10.5% | 15.8% | 74 | 42 |
🥉ゴールドアリュール | 14- 12- 9-125/160 | 8.8% | 16.3% | 21.9% | 265 | 95 |
シンボリクリスエス | 5- 2- 7- 45/ 59 | 8.5% | 11.9% | 23.7% | 78 | 85 |
ネオユニヴァース | 5- 7- 5- 50/ 67 | 7.5% | 17.9% | 25.4% | 34 | 62 |
キングカメハメハ | 15- 21- 14-160/210 | 7.1% | 17.1% | 23.8% | 57 | 83 |
パイロ | 3- 5- 6- 33/ 47 | 6.4% | 17.0% | 29.8% | 87 | 123 |
ヘニーヒューズ | 3- 2- 5- 38/ 48 | 6.3% | 10.4% | 20.8% | 93 | 105 |
クロフネ | 3- 2- 1- 43/ 49 | 6.1% | 10.2% | 12.2% | 36 | 29 |
マンハッタンカフェ | 2- 3- 3- 29/ 37 | 5.4% | 13.5% | 21.6% | 35 | 111 |
重賞勝ちの産駒を出した種牡馬は、寡占傾向が高いようです。6位のキングカメハメハまでの強さが目立ちます。2022年のチャンピオンズカップを勝った、ジュンライトボルトの父はキングカメハメハでした。
シニスターミニスター
最近の代表産駒は何と言ってもテイオーケインズです。2022年はフェブラリーステークスを蹴って、サウジアラビアで行われるサウジカップ(GⅠ)に遠征します。
- 2000mのG1を勝ったテイオーケインズに見られるように、距離もコースもほとんど問わない。
- ただし、東京コースは得意でない。
- 重・不良は苦手(稍重はOK)。
- 上のクラスに上がっても活躍する産駒が多い。
ダートに強い種牡馬 短距離(~1300)ランキング
短距離(1300m以下)のデータです。
種牡馬 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
🥇ヘニーヒューズ | 11.2% | 29.8% | 76 | 83 |
🥈ロードカナロア | 10.2% | 27.6% | 80 | 80 |
🥉サウスヴィグラス | 9.7% | 25.7% | 87 | 75 |
アジアエクスプレス | 9.3% | 26.3% | 116 | 88 |
オルフェーヴル | 9.2% | 24.2% | 136 | 88 |
ヨハネスブルグ | 9.1% | 22.7% | 65 | 78 |
キンシャサノキセキ | 8.7% | 27.4% | 63 | 82 |
ディスクリートキャット | 8.6% | 25.6% | 48 | 65 |
シニスターミニスター | 8.6% | 24.4% | 111 | 96 |
エスポワールシチー | 8.5% | 25.7% | 72 | 84 |
短距離では、アジアエクスプレス、オルフェーヴルなどの単勝回収率が、100を超えています。
ロードカナロア
現役時代は日本と香港のスプリントGⅠを5勝、マイルGⅠを1勝しています。産駒はアーモンドアイなどです。ただし、アーモンドアイは例外中の例外で、産駒は1600m以下を得意とします。
- 闘争心が強く、ペースが速くなる上のクラスに行くほど強い。
- 気性はよく、折り合いが付きやすい産駒が多い。
- 函館、小倉、中山、新潟のような、小回りのダートは苦手。
- 前走のレースをよく覚えている産駒が多く、条件替わりは不利。
サウスヴィグラス
馬体写真の通り、前肢後肢とも筋肉のボリュームが非常に豊富で、産駒も短距離型です。やや前肢の筋肉が勝っているため産駒もダートに強く、スピード勝負の馬が目立ちます。キーワードは、気分屋です。
- 気分屋のため、凡走もあるが、気が乗れば悪い着順から容易に巻き返す産駒が多い。
- 距離短縮が得意(騎手に抑えられず気分を害さない)。
- 気分屋のためか、馬番は後入れの偶数番が得意な産駒が多い。
- すんなり先行できると、スピードを発揮し気分も害さないため強みを発揮。
オルフェーヴル
3冠馬で凱旋門賞2着。芝ダート兼用の種牡馬です。産駒はダートでは距離を問いませんが、短距離では母の父はじめ、牝系に短距離に強い馬がいることが条件です。
- 産駒は父同様気性が荒く、距離短縮に強い(騎手に抑えられないため)。
- 気性が強いため、砂を被っても動じない産駒が多い。
- 米国血統でないためか、左回りは苦手。東京ダートはやや苦手のため要注意。
ダートに強い種牡馬 マイル(1400~1600)ランキング
マイル(1400~1600m)のデータです。
種牡馬 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
🥇キズナ | 11.9% | 25.6% | 85 | 68 |
🥈ヘニーヒューズ | 10.9% | 28.1% | 85 | 78 |
🥉ロードカナロア | 10.7% | 27.1% | 91 | 82 |
パイロ | 8.2% | 24.7% | 152 | 88 |
シニスターミニスター | 8.1% | 25.5% | 90 | 81 |
エンパイアメーカー | 8.0% | 24.7% | 75 | 96 |
ゴールドアリュール | 7.7% | 22.2% | 58 | 73 |
キンシャサノキセキ | 7.3% | 24.9% | 72 | 98 |
アイルハヴアナザー | 7.3% | 20.3% | 90 | 75 |
キングカメハメハ | 7.2% | 24.6% | 46 | 88 |
上位は短距離と似たランキングですが、キズナが強さを見せています。
キズナ
ディープインパクトの後継種牡馬。産駒は芝も走りますが、馬格があり気が強い馬を多く出し、ダートも得意。距離は1800m前後が優秀です。
コースは中央場所が得意で、小回りは苦手としています。
エンパイアメーカー
アメリカのダートでのクラシックホース。産駒は、短距離から中距離にかけ、まんべんなく成績を出しています。
エンパイアメーカーは、短距離に強い種牡馬として推されることも多いですが、過去5年(2017年~2021年)を見ると、複勝率19.7%、複勝回収値77となり、25.8%ー95を示す、マイル付近の方がずっと数値は良いです。
- 産駒は上のクラスに上がっても問題はないが、オープン特別が天井。
- ダートの稍重・重も問題なし。
- 3歳夏ごろに成長し力をつける産駒が多い。
ダートに強い種牡馬 中距離(1700~2000)ランキング
中距離(1700~2000m)のデータです。
種牡馬 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
🥇ドレフォン | 14.1% | 31.0% | 82 | 68 |
🥈キングカメハメハ | 11.7% | 29.4% | 110 | 82 |
🥉ドゥラメンテ | 11.3% | 30.1% | 58 | 64 |
キズナ | 11.0% | 30.6% | 102 | 91 |
エスポワールシチー | 10.7% | 26.5% | 101 | 92 |
ハーツクライ | 10.4% | 26.3% | 66 | 67 |
オルフェーヴル | 10.3% | 28.4% | 90 | 79 |
シニスターミニスター | 10.1% | 25.6% | 119 | 94 |
ディープインパクト | 10.0% | 22.4% | 79 | 72 |
ネオユニヴァース | 9.7% | 23.3% | 111 | 88 |
1位はドレフォン。芝種牡馬のイメージが強いのか、キングカメハメハの単勝回収率が100を超えました。
ダートに強い馬 馬体の特徴は?
ダートに強い馬の馬体には、どのような特徴があるのでしょうか?
まず大前提として、ダートは乾ききった砂浜を走るようなもので、中学生よりもプロレスラーが得意なイメージです。純粋に大きな馬、つまり馬体重が重い馬(目安は460キロ以上)が有利です。
2022年のフェブラリーステークスで1番人気が予想されるカフェファラオです。
まず「前脚の上半分からつけ根、さらその上」までを見ます。次に「後ろ脚の上半分から胴つけ根、さらその上」までを見ます。カフェファラオのように、前も後ろもしっかりとした張りがあることが重要です。前脚はパワーにつながるため、前脚周辺の張りがより目立つ馬でも、ダートでは問題ありません。
次に、筋肉や内臓の厚みを見ます。①前脚のつけ根、②腹回り、③後ろ脚のつけ根から尻、と見てゆくのですが、人間の女性同様、メリハリのあるボディが重要です。ただ、内臓の充実を表す腹回りも、しっかりとした厚みがあることが条件です。
前脚のつけ根、後ろ脚のつけ根から尻は、せり出してくるようなボリューム感や、ボーリングの玉のような丸みが重要です。
2022年のフェブラリーステークスで2番人気が予想されるレッドルゼルです。
- 前走馬体重は488キロで、体の大きさは問題なし。
- 「前脚の上半分からつけ根、さらその上」「後ろ脚の上半分からつけ根、さらその上」のバランス …いずれも張りに問題なし。
- ①前脚のつけ根、②腹回り、③後ろ脚のつけ根から尻 …バランス、ボリュームとも問題なし。③より①が発達しており、ダート向け。
このほかでは、やや例えが悪いですが、ライオンになった気持ちで、前脚や後ろ脚の肉にかぶりつきたい気がするかも見ます。レッドルゼルは、つややかで健康そうですが、少し硬そうだと感じるはず。この場合、ダート向けです。
※柔軟性がない方が、柔らかい砂地をしっかり捉えられるという背景があります。
また、何頭かの馬をランダムに見ると分かりますが、レッドルゼルは首は短く、やや胴長です。首が短いのは短距離志向ですが、胴が長めなのは中距離志向であり、マイルもこなせそうです。なお、上に挙げたカフェファラオは、胴が短くマイル向けです。
ダートの稍重・重・不良に強い馬 馬体の特徴は?
ダートの稍重・重・不良に強い馬は、どのように見極めればよいのでしょうか?
まず、種牡馬の面で、データからピックアップされたのは、下の4頭です。
- サウスヴィグラス …短距離(~1300)
- エンパイアメーカー …マイル(1400~1600)
- アイルハヴアナザー、スマートファルコン、カジノドライブ …中距離(1700~2000)
ダートは、稍重・重・不良になると、砂が締まるため、時計が速くなります。
例えば、2020年のフェブラリーステークス(良)の時計は1:34:4でした。2016年は重馬場で、1:34:0でした。距離は同じ1600mです。少し分かりにくい表現ですが、《仮に走破時計が同じだとすると》2016年のほうが、馬の負担としては長い距離を走ったことになります。
したがって、稍重・重・不良では、馬場が軽いためパワー不足の馬でも構わないが、スタミナは必要と言えます。馬体としては、首が長く、胴長の馬に注意が必要です。
また、中距離に強い種牡馬にも、注意が必要です。上の中距離種牡馬ランキングに、2022フェブラリーステークスの出走馬を当てはめてみます。
種牡馬 | 複勝率 | 2022フェブラリーステークス |
---|---|---|
キズナ | 31.2% | |
マジェスティックウォリアー ※ただし道悪は苦手。 | 30.5% | 9サンライズホープ |
ヘニーヒューズ | 29.7% | |
キングカメハメハ ※道悪問題なし。 | 29.2% | 注意2ダイワキャグニー 注意16エアスピネル |
オルフェーヴル | 28.9% | |
エスケンデレヤ | 27.6% | |
ホッコータルマエ | 26.5% | |
ステイゴールド | 26.4% | |
エンパイアメーカー | 26.3% | |
クロフネ ※道悪得意。 | 26.2% | 注意11ソダシ |
アイルハヴアナザー
ケンタッキーダービーを勝った馬です。産駒は、1700ダ、1800ダの成績が突出しています。小回りコースも強いですが、急坂の中山、直線が長い府中のように、ハードなコースも強いです。
上述のように稍重以下に強い馬ですが、重だけは少し弱く、勝ち切れない傾向。稍重と不良に強いと言えます。
キンシャサノキセキ
芝・ダートを問わず、短距離で活躍馬を輩出しています。朝日杯を勝った父フジキセキの産駒同様、仕上がりの早さと成長力を備えた産駒が多く、2歳から8歳までまんべんなく勝ち馬を出しています。
馬体写真を見ても分かるように、前肢・後肢とも豊富な筋肉があり、パワー型です。
- 生粋のスピード馬ではなく、パワーを生かし、洋芝・荒れた芝からダートまでこなす。高速の芝や、乾燥しきった重いダートは苦手。
- 種牡馬を問わず競走馬は年齢とともに体が固くなるため、高齢馬はダートが中心。
- 砂を被るのは苦手な産駒もおり、外枠が有利。
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