
冬のダートは重く時計がかかる? 凍結防止剤や、冬場の乾燥のダートへの影響と、馬券攻略をわかりやすく説明します。
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筆者 AI×レース観察「初ダ・未勝利・長距離・GⅠ」に強いマネードラゴン投資馬券塾を主催。2025年、年始から2月1週までの全週でプラス決算のパーフェクト達成。
- 2025年2月9日 小倉競馬場(ダート)で凍結防止剤散布の影響 →やや重の影響もあるのか、時計かかっておらず通常通りの競馬
- 2025年1月9日 中山競馬場(ダート)で凍結防止剤散布の影響 →時計かかったが全馬バテ前残り傾向
- Q 一般に凍結防止剤を散布すると、時計と脚質はどう変わりますか? →原則は前が苦しく差し・追込有利
- Q 冬のダートは時計がかかるとは本当ですか?
- Q 時計のかかるダートになると、どの脚質が強くなりますか?
- Q 厳冬期の乾いたダートは大型馬が有利ですか?
- Q 凍結防止剤の使用頻度や使用量は激減しているというのは本当ですか?
- Q 凍結防止剤とは、そもそもどのような物質ですか?
- Q 凍結防止剤×やや重・重・不良は気にすべきですか?
2025年2月9日 小倉競馬場(ダート)で凍結防止剤散布の影響 →やや重の影響もあるのか、時計かかっておらず通常通りの競馬


凍結防止剤をまくと、「前が苦しい」(時計がかかり、差し・追込有利)が基本傾向。騎手証言も出ています(後述)。2025年は2月3日(月)に小倉ダートで凍結防止剤の散布がありました。

いまのところ、凍結防止剤の散布量が少なめで、やや重(含水率)の影響(=脚抜きがよく走りやすい)が勝り、特別に時計はかかっておらず、前の馬も残っており、影響は少ないようです。
パターン(ダートの凍結防止剤)
・原則 ネバネバ馬場
●例外 しっとり馬場/馬場が湿っている影響で、通常通りの時計で特に下級条件で先行有利。
・例外 超ネバネバ馬場
・例外 スッキリ馬場
2025年1月9日 中山競馬場(ダート)で凍結防止剤散布の影響 →時計かかったが全馬バテ前残り傾向

ダートの凍結防止剤は「前が止まる」が基本。騎手証言も出ています(詳細は後述)。ところが、2025年1月9日に凍結防止剤を散布した中山では、時計がかかったもののが、全馬バテ、結局前が残ってしまうケースがありました。

1月11日には、40秒を超える上りタイムが2回も出て時計がかかっています。

ところが土曜の時点では差し馬場にはならず、前も後ろもバテバテとなり、結局前が残るケースが見られました。例えば中山6Rの8番はドイル騎手が飛ばし、4角では後続はついてこれなくなり、8番は自身もバテながら勝利しています。

これは、凍結防止剤を撒いた後、雪や雨が降らず、凍結防止剤の影響が強く出たと考えられます。11日にやや重となったのは、降水ではなく、凍結防止剤の影響だったと言えます。
パターン(ダートの凍結防止剤)
・原則 ネバネバ馬場
・例外 しっとり馬場
●例外 超ネバネバ馬場/前が苦しいが、後ろも苦しく結局前残り(隊列そのままで流れ込む)
・例外 スッキリ馬場
Q 一般に凍結防止剤を散布すると、時計と脚質はどう変わりますか? →原則は前が苦しく差し・追込有利

はい。凍結防止剤をよく撒くのは、日経新春杯の前です。この週は大学入試共通テスト(旧センター試験)の週にあたり、平野部でも気温が下がり雪になりやすい特異日として知られています。例えば2022年の日経新春杯の前の週にも、凍結防止剤散布の発表がありました。

凍結防止剤散布前後の中山ダートの結果です。
散布前は逃げ・先行有利でしたが、散布後にはシェアが減り、差し・追込馬が増えています。このように、凍結防止剤をまくと砂に粘りが出て力を消耗するため、「前が苦しく」なり、差し・追込馬に有利と言えます。
一方、同じタイミング凍結防止剤をまいた中京では、差し追込の連対馬は5頭→5頭で変化はありませんでした。これは、冬季はダートがパサパサとなりずれやすく力を消耗するため、もともと差し・追込有利の流れがあったからだと考えられます。
この週の翌週の日曜中京8Rフォルツァンド騎乗の菱田騎手は「凍結防止剤で前が止まる。この馬はタメたら確実に伸びるので、いいと思う」と戦前にコメントしています。このように騎手の認識も、凍結防止剤=差し追込有利となっています。
パターン(ダートの凍結防止剤)
●原則 ネバネバ馬場/前が苦しい(時計がかかり、差し・追込有利)
・例外 しっとり馬場
・例外 超ネバネバ馬場
・例外 スッキリ馬場

凍結防止剤散布の発表があった場合、時計の出方や脚質を見て、「ネバネバ」「しっとり」「超ネバネバ」などを見分けます。
冬場のダートは、1度やや重・重になると回復しづらく、やや重・重=しっとりとは言い切れず、ネバネバ・超ネバネバの馬場もありえます。一方、凍結防止剤の散布量が控えめで、雨や雪の水分の影響が勝れば、しっとりに傾くと考えられます。
パターン(ダートの凍結防止剤)
・原則 ネバネバ馬場/前が苦しい(時計がかかり、差し・追込有利)
・例外 しっとり馬場/馬場が湿っている影響で、通常通りの時計で特に下級条件で先行有利。
・例外 超ネバネバ馬場/前が苦しいが、後ろも苦しく結局前残り(隊列そのままで流れ込む)
・例外 スッキリ馬場/降雨となり、凍結防止剤が流出し影響がない。
凍結防止剤の散布は、サンプル数が少なく、なるべく正確な情報となるよう鋭意研究を続けています。今後書き改める可能性もありますので、ご理解ください。
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コース攻略
東京 | 芝1600 | 芝1800 | 芝2400 | |
京都 | 芝1200 | 芝1600外 | 芝1800 | |
京都 | 芝2000 | 芝2400 | 芝3000 | |
中山 | 芝1200 | 芝1800 | 芝2000 | 芝2200 |
阪神 | 芝1400 | 芝1600 | 芝2000 | 芝3000 |
中京 | 芝1400 |
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Q 冬のダートは時計がかかるとは本当ですか?


はい本当です。上のグラフを見ると、時計が遅いワースト3は、1・2・12月であり、明らかに冬季のダートは時計がかかり、決着タイムが遅くなっています。
上のグラフは、中山・京都・阪神競馬場で、ダートの基本距離となる1800mのタイムを2年間に渡り集計したものです。東京コースは1800の設定がないため除きました。
また、ダートは基本的には開催のない夏に砂を洗い、9月にフレッシュな状態でその後1年間使用してゆきます。ローカルは夏に競馬開催があるため、イレギュラーとなりますので、上のデータからは除きました。

4~6月、重い蹄を受け止め1年間使い込んだダートは、砂粒が壊れ細かい成分が多くなり、引き締まった砂になり、馬の体重や蹴る力をしっかり受け止め、速い時計が出ます。
夏、開催がない間に、中央場所(中山・東京・阪神・京都)では砂を洗います。細かい成分やゴミを洗い流し、砂粒が中心で粒の間に隙間のあるダートに戻ります。すると、馬の体重や蹴る力を受けると砂がずれてしまい、走りづらく時計がかかります。

12~2月にかけて、ダートが使い込まれて細かい粒が増え時計は速くなるはずですが、実際にはさらに遅くなります。
これは空気と砂の乾燥が進み、砂同士がバラバラないわゆるパサパサの状態になり、馬の体重や蹴る力を受けると砂がずれてしまい、走りづらく時計がかかるものと思われます。

1年を通してみると、春のダートは砂粒が細かく走りやすいため時計が速く、夏に砂を洗うと秋は砂粒が大きく砂がずれやすいため走りづらく時計が遅くなり、冬場は(砂粒はソコソコ大きな状態を保ちつつ)乾燥で時計がさらに遅くなると考えられます。
Q 時計のかかるダートになると、どの脚質が強くなりますか?
月 | データ件数 | 複勝率 (%) | 複回値 (%) |
12 | 1474 | 44.9 | 88.6 |
1 | 1684 | 43.1 | 84.8 |
10 | 1514 | 43.9 | 84.7 |
11 | 1277 | 42.6 | 82.9 |
3 | 1941 | 42.8 | 82.3 |
9 | 1221 | 40.1 | 81.8 |
5 | 1815 | 42.6 | 81.4 |
8 | 1153 | 40.6 | 81.2 |
2 | 1686 | 42.5 | 81.1 |
7 | 1178 | 41.6 | 80.5 |
4 | 1805 | 41.9 | 80.3 |
6 | 1457 | 39.5 | 75.8 |

上は過去5年、JRAダートの全コースにおける、差し追込馬の成績です(1~5人気)。回収率が高い順に、12・1・10・11月。冬場は差し・追込馬が強いのは明白です。
10・11月は、中央4場で夏に砂が洗われた直後。砂粒にすき間ができ砂がずれやすくなり、走りづらくやや時計がかかります。「走りづらい」点に着目すると、逃げ先行馬が苦しくなりやすく、差し追込が届くと言えます。
12・1月は乾燥が進み、砂同士がバラバラないわゆるパサパサの状態になり、脚元が滑りやすく走りづらく非常に時計がかかります。「走りづらい」点に着目すると、逃げ先行馬が苦しくなりやすく、差し追込が届くと言えます。
Q 厳冬期の乾いたダートは大型馬が有利ですか?
月 | データ件数 | 複勝率 (%) | 複回値 (%) |
3 | 1143 | 48 | 91 |
12 | 1039 | 46.3 | 86.7 |
11 | 864 | 43.3 | 84.3 |
1 | 1160 | 44.9 | 82.9 |
2 | 1055 | 44.6 | 81.7 |
4 | 1030 | 44.9 | 81.3 |
5 | 979 | 43 | 79.8 |
10 | 962 | 43.2 | 79.7 |
9 | 613 | 43.1 | 79.6 |
8 | 614 | 42.5 | 78.2 |
6 | 751 | 41.7 | 77.5 |
7 | 593 | 40.8 | 75.2 |

上はJRA全ダートコースにおける、馬体重500キロ以上の馬の成績です。複勝回収率が高い順に、3・12・11・1・2月。砂が乾燥し、脚の下でずれやすくなる厳冬期には、大型馬が有利なのは確実です。
説明してきたように、中央4場では、夏の開催がない時期に砂を洗います。すると砂が大粒になり、蹄(蹄鉄)の下でずれやすくなり、蹴り返すのにパワーが必要です。冬場には、砂は多少割れてきますが、今度は乾燥が進みパサパサした状態となり、秋以上に力が必要です。
大型馬は、筋肉量や自身の馬体重から、力をかけて砂に踏み込むのは得意で、厳冬期には活躍する率が増します。
なお、ローカルコースのダートコースは、夏場も開催がありますので、年に2回、開催がない時期に砂を洗っているとされています。
Q 凍結防止剤の使用頻度や使用量は激減しているというのは本当ですか?


はい。その通りです。例えば、全国的に大雪になり、関東でも気温が低かった、前年末から2018年始にかけての1か月間、中山競馬場では、凍結防止剤の散布はわずか1回でした。
中山競馬場 | 凍結防止剤 | 主なレース |
12月21日(木) | 使用 | |
12月23日(土) | 使用なし | 中山大障害 |
12月24日(日) | 使用なし | 有馬記念 |
12月28日(木) | 使用なし | ホープフルS |
1月6日(土) | 使用なし | 中山金杯 |
1月7日(日) | 使用なし | |
1月8日(月) | 使用なし | |
1月13日(土) | 使用なし | |
1月14日(日) | 使用なし | 日経新春杯 |
1月20日(土) | 使用なし | |
1月21日(日) | 使用なし | AJCC/東海S |
この間、最低気温が氷点下となった日は、12日間もあります。
凍結防止剤があまり使用されなくなったのは、粘り気のある薬剤を、馬が砂と一緒に蹴り上げ、騎手のゴーグルにくっつき、視界がさえぎられ、危険だと騎手から意見が相次いだからです。また、広い競馬場にまんべんなく凍結防止剤を使用すると、経費がかかりすぎるという側面もあります(1回数百万円を要するともいわれます)。
同時に、凍結防止剤が改良され、1度まくとしばらく持つようになったという点もあります。さらにJRAでは、競馬開催日の前日は、徹夜で馬場を監視し、人力で馬場をかき混ぜ氷結を防止することもできます。
JRAが馬場管理で最重視している要素の第一は安全性です。騎手のゴーグルに凍結防止剤がつき視界を損なうことは、もっとも避けたい内容となります。このことから、現在の競馬予想では、凍結防止剤に敏感になる必要はなく、前週まで、厳冬期としては異例の前残りが続いていたタイミングくらいで構わないと考えれられます。
Q 凍結防止剤とは、そもそもどのような物質ですか?

はい。寒冷地で冬期の道路の凍結防止のため、塩化カルシウムがまかれることがあります。それと同じものですが、JRAでは、塩化塩化マグネシウムも使用しています。

競馬場で使用している凍結防止剤は、軽種馬育成調教センターの資料(PDF)によれば、 塩化カルシウムだけでなく、塩化マグネシウムも併用しているようです。塩化マグネシウムは、2週間効果があるとされ、近年の長めの散布間隔とも合います。


水は、気温が下がると、分子がくっつき氷になる性質があります。凍結防止剤は、水の分子と分子の間に割り込み、分子がくっつくのを防ぐ作用があります。なめると塩味がしたという、競馬評論家の証言があります。
ダートは、水分を含むと固まり、蹄をしっかり受け止め、スタミナが不要になることが多いです。しかし、凍結防止剤は砂に粘りを持たせ、スタミナが必要となり、やや差し追込有利になります。(ただし冬場はもともと差し追込有利ですので、前週まで適度に水を含むなどで前有利だった場合のみ、馬場に大きな変化があると見てよいです)
Q 凍結防止剤×やや重・重・不良は気にすべきですか?

凍結防止剤は、不良馬場で水分量が多い場合は流出し、影響力を失います。
一方、適度に湿った状態(やや重・重)では水分と結びつき、「粘り気」を出すと考えられますが、使用頻度や量が減っていることから、神経質に考えなくても良いでしょう。
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