冬のダートは時計がかかる? 凍結防止剤の影響と馬券攻略

マネードラゴン馬券塾
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冬のダートは重く時計がかかる? 凍結防止剤や、冬場の乾燥のダートへの影響と、馬券攻略をわかりやすく説明します。

GⅠチャンピオンズカップ コースの傾向は? 中京ダート1800mの特徴、有利な馬や枠順、得意な騎手は?

筆者 AI×レース観察 「未勝利・初ダ・障害」に強いマネードラゴン投資馬券塾を10年間継続。3年連続GⅠプラス。複1点「絶対勝負レース」は8連続的中を達成。

結論ファースト

質問答え
冬のダートは時計がかかるとは本当ですか?はい。時計が遅いワースト3は、1・2・12月です(統計の詳細は記事内)。
時計のかかるダートになると、どの脚質が強くなりますか?差し・追込馬です。通年で回収率が高い順に、12・1・10・11月となります。
凍結防止剤を散布すると、時計と脚質はどう変わりますか?時計は大きな変化がありません。脚質は、前週まで前残りだった場合、差し馬場に一転することがあります。

Q 冬のダートは時計がかかるとは本当ですか?

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はい本当です。上のグラフを見ると、時計が遅いワースト3は、1・2・12月であり、明らかに冬季のダートは時計がかかり、決着タイムが遅くなっています。なお115.78(秒)は、1分55秒78という意味です。

上のグラフは、中山・京都・阪神競馬場で、ダートの基本距離となる1800mのタイムを2年間に渡り集計したものです。東京コースは1800の設定がないため除きました。

また、ダートは基本的には開催のない夏に砂を洗い、9月にフレッシュな状態でその後1年間使用してゆきます。ローカルは夏に競馬開催があるため、イレギュラーとなりますので、上のデータからは除きました。

4~6月、重い蹄を受け止め1年間使い込んだダートは、砂粒が壊れ、細かい成分が多くなり、引き締まった砂になります。すると馬の体重や蹴る力をしっかり受け止め、速い時計が出ます。

夏、開催がない間に、中央場所(中山・東京・阪神・京都)では砂を洗います。細かい成分やゴミを洗い流し、砂粒が中心で粒の間に隙間のあるダートに戻ります。すると、馬の体重や蹴る力を受けると砂がずれてしまい、走りづらく時計がかかります。

12~2月にかけて、ダートが使い込まれて細かい粒が増え時計は速くなるはずですが、実際にはさらに遅くなります。これは空気と砂の乾燥が進み、砂同士がバラバラないわゆるパサパサの状態になり、馬の体重や蹴る力を受けると砂がずれてしまい、走りづらく時計がかかるものと思われます。

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1年を通してみると、春のダートは砂粒が細かく走りやすいため時計が速く、夏に砂を洗うと秋は砂粒が大きく砂がずれやすいため走りづらく時計が遅くなり、冬場は(砂粒はソコソコ大きな状態を保ちつつ)乾燥で時計がさらに遅くなると考えられます。

Q 時計のかかるダートになると、どの脚質が強くなりますか?

データ件数複勝率 (%)複回値 (%)
12147444.988.6
1168443.184.8
10151443.984.7
11127742.682.9
3194142.882.3
9122140.181.8
5181542.681.4
8115340.681.2
2168642.581.1
7117841.680.5
4180541.980.3
6145739.575.8
過去5年(1~5人気)
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上は過去5年、JRAダートの全コースにおける、差し追込馬の成績です(1~5人気)。回収率が高い順に、12・1・10・11月。冬場は差し追込馬が強いのは明白です。

10・11月は、中央4場で夏に砂が洗われた直後。砂粒にすき間ができ砂がずれやすくなり、走りづらくやや時計がかかります。「走りづらい」点に着目すると、逃げ先行馬が苦しくなりやすく、差し追込が届くと言えます。

12・1月は乾燥が進み、砂同士がバラバラないわゆるパサパサの状態になり、脚元が滑りやすく走りづらく非常に時計がかかります。「走りづらい」点に着目すると、逃げ先行馬が苦しくなりやすく、差し追込が届くと言えます。

Q 凍結防止剤を散布すると、時計と脚質はどう変わりますか?

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はい。凍結防止剤をよく撒くのは、日経新春杯の前です。この週は大学入試共通テスト(旧センター試験)の週にあたり、平野部でも気温が下がり雪になりやすい特異日として知られています。例えば2022年の日経新春杯の前の週にも、凍結防止剤散布の発表がありました。

凍結防止剤散布前後の中山ダートの結果です。散布前は逃げ先行が強く差し追込馬は2頭でしたが、散布後に5頭に増えています。このように、凍結防止剤をまくと砂に粘りが出て力を消耗するため、前が苦しくなり、差し追込馬に有利と言えます。

一方、同じタイミング凍結防止剤をまいた中京では、差し追込の連対馬は5頭→5頭で変化はありませんでした。これは、冬季はダートがパサパサとなりずれやすく力を消耗するため、もともと差し追込有利の流れがあったからです。

この週の翌週の日曜中京8Rフォルツァンド騎乗の菱田騎手は「凍結防止剤で前が止まる。この馬はタメたら確実に伸びるので、いいと思う」と戦前にコメントしています。このように騎手の認識も、凍結防止剤=差し追込有利となっています。

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凍結防止剤散布の発表があった場合、前週の上位馬の脚質を確認します。冬にも関わらず、逃げ先行馬が有利だった場合には、凍結防止剤によって差し追込馬の台頭に、傾向ががらりと変わる可能性があります。

もう1度同じ図を見ます。上りに39秒台かかった馬は、凍結防止剤散布を経て、5頭から6頭とほとんど変わりません(やはり凍結防止剤散布をまいた中京も大きな変化なし)。

そもそも、凍結防止剤散布後には、雪などの影響でやや重・重馬場が出現しやすく、砂が締まって走りやすくなる効果もあり、時計には大きな影響はないようです。

Q 厳冬期の乾いたダートは大型馬が有利ですか?

データ件数複勝率 (%)複回値 (%)
311434891
12103946.386.7
1186443.384.3
1116044.982.9
2105544.681.7
4103044.981.3
59794379.8
1096243.279.7
961343.179.6
861442.578.2
675141.777.5
759340.875.2
過去5年(1~5人気)
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上はJRA全ダートコースにおける、馬体重500キロ以上の馬の成績です。複勝回収率が高い順に、3・12・11・1・2月。砂が乾燥し、脚の下でずれやすくなる厳冬期には、大型馬が有利なのは確実です。

説明してきたように、中央4場では、夏の開催がない時期に砂を洗います。すると砂が大粒になり、蹄(蹄鉄)の下でずれやすくなり、蹴り返すのにパワーが必要です。冬場には、砂は多少割れてきますが、今度は乾燥が進みパサパサした状態となり、秋以上に力が必要です。

大型馬は、筋肉量や自身の馬体重から、力をかけて砂に踏み込むのは得意で、厳冬期には活躍する率が増します。

なお、ローカルコースのダートコースは、夏場も開催がありますので、年に2回、開催がない時期に砂を洗っているとされています。

Q 凍結防止剤の使用頻度や使用量は激減しているというのは本当ですか?

引用 気象庁
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はい。その通りです。例えば、全国的に大雪になり、関東でも気温が低かった、前年末から2018年始にかけての1か月間、中山競馬場では、凍結防止剤の散布はわずか1回でした。

中山競馬場凍結防止剤主なレース
12月21日(木)使用 
12月23日(土)使用なし中山大障害
12月24日(日)使用なし有馬記念
12月28日(木)使用なしホープフルS
1月6日(土)使用なし中山金杯
1月7日(日)使用なし 
1月8日(月)使用なし 
1月13日(土)使用なし 
1月14日(日)使用なし 日経新春杯
1月20日(土)使用なし 
1月21日(日)使用なしAJCC/東海S

この間、最低気温が氷点下となった日は、12日間もあります。

凍結防止剤があまり使用されなくなったのは、粘り気のある薬剤を、馬が砂と一緒に蹴り上げ、騎手のゴーグルにくっつき、視界がさえぎられ、危険だと騎手から意見が相次いだからです。また、広い競馬場にまんべんなく凍結防止剤を使用すると、経費がかかりすぎるという側面もあります(1回数百万円を要するともいわれます)。

同時に、凍結防止剤が改良され、1度まくとしばらく持つようになったという点もあります。さらにJRAでは、競馬開催日の前日は、徹夜で馬場を監視し、人力で馬場をかき混ぜ氷結を防止することもできます。

JRAが馬場管理で最重視している要素の第一は安全性です。騎手のゴーグルに凍結防止剤がつき視界を損なうことは、もっとも避けたい内容となります。このことから、現在の競馬予想では、凍結防止剤に敏感になる必要はなく、前週まで、厳冬期としては異例の前残りが続いていたタイミングくらいで構わないと考えれられます。

Q 凍結防止剤とは、そもそもどのような物質ですか?

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はい。寒冷地で冬期の道路の凍結防止のため、塩化カルシウムがまかれることがあります。それと同じものですが、JRAでは、塩化塩化マグネシウムも使用しています。

JRA Facebook

競馬場で使用している凍結防止剤は、軽種馬育成調教センターの資料(PDF)によれば、 塩化カルシウムだけでなく、塩化マグネシウムも併用しているようです。塩化マグネシウムは、2週間効果があるとされ、近年の長めの散布間隔とも合います。

水は、気温が下がると、分子がくっつき氷になる性質があります。凍結防止剤は、水の分子と分子の間に割り込み、分子がくっつくのを防ぐ作用があります。なめると塩味がしたという、競馬評論家の証言があります。

ダートは、水分を含むと固まり、蹄をしっかり受け止め、スタミナが不要になることが多いです。しかし、凍結防止剤は砂に粘りを持たせ、スタミナが必要となり、やや差し追込有利になります。(ただし冬場はもともと差し追込有利ですので、前週まで適度に水を含むなどで前有利だった場合のみ、馬場に大きな変化があると見てよいです)

散水の影響はわずか

凍結防止剤の散布量が減っても、ダートへの散水が減る影響が大きいと指摘する専門家もいますが、その影響は、少ないと考えられます。

引用 JRA公式Facebook

Q 凍結防止剤×やや重・重・不良は気にすべきですか?

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凍結防止剤は、不良馬場で水分量が多い場合は流出し、影響力を失います。

一方、適度に湿った状態(やや重・重)では水分と結びつき、「粘り気」を出すと考えられますが、使用頻度や量が減っていることから、神経質に考えなくても良いでしょう。

GⅠチャンピオンズカップ コースの傾向は? 中京ダート1800mの特徴、有利な馬や枠順、得意な騎手は?

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