競馬の1番人気の取捨は、予想の要とも言えます。このページでは、1番人気、単勝1倍台が飛びやすいレース、切り方などを説明します。
GⅠチャンピオンズカップ コースの傾向は? 中京ダート1800mの特徴、有利な馬や枠順、得意な騎手は?
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結論ファースト 1番人気、単勝1倍台が飛ぶ条件
- 原則1 1~4人気をしっかりと分析し、3強、4強のメンバーを探す。
- 原則2 1番人気を構成する材料に「強そうな雰囲気」が含まれていないかを確認。
- ターゲット AIを使用しない場合、ダートの方が分析しやすい。データが少ない未勝利戦(芝、ダート)もおすすめ。
- その他 GⅢ、リステッド競走、ハンデ戦/福島、小倉コース/16頭立て以上/芝の重・不良/関西遠征馬/中1週・半年以上休養明け
プラス収支には、1番人気の取捨はきわめて重要!
JRAの1番人気の平均オッズは、2.7倍(2020年)。支持率に直すと、約70%にも達します。
競馬は、不的中だった人が出したお金を、的中者が山分けするゲームです。1番人気が敗れた場合、約7割のお金を、約3割の人が分けることになり、圧倒的に有利です。
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例えば、筆者発行のメルマガ(マネードラゴン馬券塾)では、2020年10月24日の東京4R新馬戦、1番人気馬を、ある理由から消しています。
1人気を消しただけで、馬連5490円を10点的中。回収率は549%にも上りました。
このように、多くの票を集める1番人気は、消すことに成功すれば、大きな収益になります。
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相手関係から消せる1番人気 3・4強パターンが消えやすい!
1番人気が消えるパターンの1つに、相手関係があります。
JRAのレースは、未勝利、1勝クラスなど、能力別の細分化が進んでいます。馬の能力はある程度拮抗しており、圧倒的に抜きんでた馬はほとんどいません。
そのため、1番人気といえども、確実に勝つには、相手に恵まれることが必要です。逆に言えば、強い1番人気の馬でも、相手関係次第では、消えることがあります。まず、上位人気4頭を分析し、次のように分類することは、シンプルですが、有効な手段です。
- 1強 …ほかの3頭が、明らかに見劣りする場合、1人気は消えにくい。
- 2強 …2強対決構図の場合も消えにくい。
- 3強、4強 …力差がさほどないのに、マークや進路のブロックを受けやすく、1番人気が消えやすい組み合わせ。
- 4弱 …上位人気4頭全体に弱さが目立つ場合も、当然1番人気は消えやすい。
1番人気の馬柱をさかのぼったり、漠然と出馬表全体や印を見たりするのではなく、まず人気4頭のみ分析する、と決めてかかることで、的中率はかなり上がります。
上位人気4頭を評価する場合には、時計(スピード指数)、走りの欠点の有無(じり脚など)、ローテーション(連闘や中1週ではないこと)、厩舎、騎手などが重要です。
ただし、芝の場合、「ある展開やコース、距離のみ走る馬」が大多数ですので、適性(コース・ペース)の有無も重要になります。「あるコース、距離のみ走る馬」の例として、意外な馬ですが、アーモンドアイを挙げる専門家もいます。有馬記念と、マイルの頂上決戦・安田記念で敗れていることが挙げられます。
芝では、時計、走り、ローテーション、厩舎、騎手、展開、コース、距離など、かなり多くの比較項目があり、複雑な処理が得意なAI(機械学習)向けのレースが目立ちます。
手動(非AI)で競馬予想を楽しむ方や、競馬初心者の方におすすめしたいのは、ダート戦です。
データから芝よりも騎手が効きづらく、短距離ではいっそう効きづらくなります。また、芝と異なり、東京コースを除きコース形態は似ており、内外の荒れ方の違い、重い芝・軽い芝、洋芝・野芝といった区別が不要。ペースも飛ばしてバテ比べが基本。検討要素が少ないため、初心者も対応できます。また、中上級者も、AIに対して有利に戦えるジャンルです。
1~4人気をしっかり検討し、合計3~4頭が強力な場合、1番人気は消えやすくなります。
人気の「材料」から消せる1番人気 騎手や強そうなオーラなど実体のない根拠は消し
仮にライバル不在(2~4人気が弱い)の1番人気でも、人気を構成する中身が十分でない場合、消えやすくなります。
例えば、上は、2022年6月5日の麦秋ステークス(3勝クラス)の1番人気馬です。下のクラスで連勝し、勢いに乗る?馬ですが、ダートの混合戦では分が悪い牝馬。時計(スピード指数)も、上位人気4頭は、ほぼ同じでした。
1番人気になったのは、ルメール騎手の連続騎乗と、連勝してきた「強そうな雰囲気」が大きかったはずです。ダートでは騎手が効きづらく、短距離はなおさらという点を考えると、ルメールは、ケーキならスカスカのスポンジ。連勝はいずれも道悪でしたので、過去走の強度も同様(スカスカ)です。
1番人気を構成する理由の部分がスカスカであれば、その馬は飛びやすいと言えます。さらに、2~4人気の馬は、東京コースで現級3着や、東京コースの1つ下のクラスで勝ち上がった馬ばかり。ダートは、東京コースは独自の適性が求められますので、2~4人気の馬が東京コースでの実績があるという点で、4強といえます。
1番人気の3ナンヨーアイボリーは、「ルメール連続騎乗」「強そうな雰囲気」というスカスカのスポンジからできたケーキであり、ほかのケーキも「時計が速い」「前走が東京コースで実績」と粒ぞろいであり、1番人気ながら10着に敗れました。
ケーキに例えれば、「どんなに良質のケーキでも、ほかのケーキの質が高ければ、負けることがある」「ケーキ(1番人気)は、その材料が何からできているかも重要」 この2つは、シンプルですが重要な基準です。
1番人気を切るには、1番人気を買うことも重要
矛盾するようですが、1番人気を切るには、1番人気を買うことも重要です。
1番人気の複勝率は、実に64%もあります(2019年)。
競馬新聞社のエリートである、本紙予想家が土台を作り、さらに、内部情報をもとに大金を投じる馬主などの関係者、腕利きの競馬投資家、的中率が高いAI予想に乗る票。彼らの投票が集まる、1番人気の信頼度は抜群です。
競馬を学ぶには、まず1番人気を研究せよというのも事実です。1番人気を知らずして、1番人気は消せませんし、自信を持って買った1番人気が消えてしまって失敗したときにこそ、競馬への理解が深まるからです。
まず1番人気の研究から入り、段階を踏んで、1番人気に依存しない馬券を組み立てられるようになるべきです。
初めから穴党だった穴党は、ニセモノの可能性があります。本命の研究を経ていないため、確実な消し方を知らないからです。逆に本命党経由の穴党は、本物に成長しやすいはずです。
消えなかった1番人気デアリングタクトは、1強×東京コース
とくに中長距離の1番人気は、多くの馬からマークやプレッシャー(合法ギリギリの妨害)を受けたり、進路を閉められたりしています。
短距離では、1番人気が先行すれば、ほとんどの馬はついて行けず、マークできるのは先行馬だけです。しかし、中長距離は、1番人気の位置取りにもよりますが、特に強いプレッシャーを受けます。
2021年のオークス1番人気のデアリングタクトのレースが典型的です。
- 1コーナー …武豊・ミヤマザクラにプレッシャーをかけられ、ポジションを奪われる。
- 2コーナー …川田・リアアメリアと接触し、手綱を引き後方へ。
- 向正面 …ミヤマザクラ、リアアメリア、レーン騎手・デゼルに閉められ、最内へ。
- 3~4コーナーの勝負所 …ルメール・サンクテュエールに外から蓋をされる。
正直、最後の直線を向いた際は「やられた」と思いました。それほどデアリングタクトの位置取りは、厳しかったですね。
ほかの馬なら大敗しているだろう、厳しいレースでしたが、1番人気デアリングタクトは何とか勝ち切り、後に牝馬三冠を達成しています。これは、デアリングタクトスピード指数がやや抜けており、コースや距離への適性もあったために、何とか勝ち切ったレアなケースです。
コースが東京コースであったことも重要です。直線が長く、仮に閉じ込められても、閉じ込めている馬は、ずっと同じ位置で閉じ込めていては、勝ちを放棄したこととなるためスパートをかけ、進路が空くこともあります。また閉じ込めている馬がバテることもあり、いつかは前が空くものです。1番人気が消えにくい条件として、時計や適性がピカイチで、東京、阪神といった直線が長いマイル以上のコースであることも重要です。
逆に言えば、ローカルコースは、多少抜けていても、直前が短く挽回が間に合わないこともよくあります。
1番人気の消し方
- ある程度の期間、逆に1番人気を狙い、消える・消えないを、実際にお金を賭けて体感、分析してゆく。
- 上位人気4頭を比較し、3強・4強のパターンを狙う。比較基準は、時計、走り、ローテーション、厩舎、騎手、展開の適性、コース適性、距離適性など。
- 1番人気を生んだ材料が、「強そうな雰囲気」(下のクラスで連勝、血統、前評判、落札価格等)に過ぎない馬を狙う。
- 直線が短いか、急坂がないコース(つまりローカル)を狙う。
- 芝よりはダートの方が、1~4番人気の分析が容易。
検討の結果、1番人気が残ってしまった場合 別理論で人気薄のヒモをひっかける
そして、ぜひ覚えておきたいのは、1番人気を買ってもプラスになる方法です。それは「1番人気-ヒモ穴」の組み合わせの的中です。
例えば、2020年10月25日の、マネードラゴン馬券塾では、単勝1番人気(複勝は2番人気)の2ミスフィガロを軸に指名。単勝は外しましたが、ワイドの的中で160%のプラス決算にまとめています。
1番人気が軸であっても、人気薄のヒモ馬(5番人気)を的中させることで、プラス決算が実現できたケースです。
これは、競馬専門紙の本紙予想担当者がよく使う方法です。本紙予想では、勢力図が読者に分かりやすいよう、強い馬を本命にすることが求められます。しかし、これでは年間の収支が厳しくなるため、いかに人気薄のヒモをひかっけるか、がポイントになっています。
例えば、馬サブローの関東古馬本紙は、加藤剛史記者です。
本命は1番人気のモーベットに打ってますが、ヒモの8番は12番人気、4番は9番人気ですね。
このように、1番人気から買う場合、ヒモに人気薄を選べるかが、ポイントになります。
12番人気(複勝10番人気)の8番が2着となり、馬連7780円が1点目で的中しています。
上に挙げたのは、加藤剛史記者の印ですが、2018年には、回収率91%を記録しています。全レース強制参加の競馬記者として、年間9割越えは非常に優秀です。
ただ、1つ指摘したいのは、1位を取った妹尾記者は穴党で、強い人気馬には逆らわないが、死角があると軽視するタイプです。本紙とは異なり、消したいときに気軽に1番人気を消せる権限を持っています。回収率の面では、1番人気を消す作戦も、やはり爆発力があります。
なお、ベテランにとって当たり前のことかも知れませんが、軸とヒモ馬は、別の理論で選出します。王道の理論でひっかからないからこその人気薄であり、王道の理論を当てはめては、不安感が増すだけです。
筆者は、ダート戦では、次のように理論を使い分けています。
- 軸馬 …時計、走り、ローテーション、厩舎、騎手が中心。
- ヒモ馬 …追い切り、追い切り後の変身、オッズ、馬体重、パドック。
重賞など、10番人気前後まで能力が拮抗している場合は、ヒモ馬が王道の理論で導けることもなくはないですが、基本は別理論と覚えておくと良いと思います。ダート戦については、筆者のメルマガマネードラゴン馬券塾や、下の各ページで説明しています。
1番人気が消えやすい条件は?
1番人気を消すには「3・4強パターン」「人気を形成する材料が強そうな雰囲気に過ぎない」が2大原則です。これを覚えるだけで、全レースに対応できます。
このほかでは、次のような条件が、1番人気の勝率が30%を切るパターンとなります(2019~2021年)。
1番人気の勝率が低い条件
- オープン(L)…GⅢに近い混戦となりやすい(26.6%)
- GⅢ…重賞では最も荒れるカテゴリ(23.7%)
- ハンデ戦(25.9%)
- 若手騎手限定戦(27.5%)
- 福島コース…典型的なローカルの設計で、弱者救済色が強く、1番人気には不利(27.6%)。なお、次に1番人気が不利なのは、小倉(30.6%)。函館、札幌は馬産地に近く意外に層が厚く、中京・新潟は、改装で準中央化した。
- 関西遠征馬…まだまだ関東馬は弱く、関西馬の厚い壁にはね返されることが多い。(28.9%)
- ダート1700、2100…前者はローカルが多く、後者は東京だが決め手がない馬がそろう。
- 芝の重・不良…1番人気は時計自慢が多く、走破時計が遅くなる中、道悪を苦にしない馬に逆転を許す。
- 16頭立て以上
- ローテ中1週・半年以上…連闘は、連闘なのに1番人気に推されたという側面があり、勝率は低くない(35.9%)。
【総まとめ】1番人気、単勝1倍台が飛ぶ条件
1番人気を消すには、ハンデ戦を買えのような単純暗記は意味がありません。確かに4回に3回は1番人気が敗れますが、4回に1回は勝つのも事実。1~4番人気の分析、1番人気を構成する材料をしっかりと見ます。
1番人気、単勝1倍台が飛ぶ条件
- 原則1 1~4人気をしっかりと分析し、3強、4強のメンバーを探す。
- 原則2 1番人気を構成する材料に「強そうな雰囲気」が含まれていないかを確認。
- ターゲット AIを使用しない場合、ダートの方が分析しやすい。データが少ない未勝利戦(芝、ダート)もおすすめ。
- その他 GⅢ、リステッド競走、ハンデ戦/福島、小倉コース/16頭立て以上/芝の重・不良/関西遠征馬/中1週・半年以上休養明け
詐欺の手法を指摘 「レジまぐ」「競馬のミカタ」で評判のよいおすすめは?
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