
競馬の1番人気の取捨は、年間収支を握る、非常に大切な要素です。このページでは、1人気の切り方と、収益へのつなげ方をわかりやすく説明します!
内容はもくじから。
勝ち組になるには、1番人気の取捨はきわめて重要!

競馬に勝つためには、1番人気の取捨がきわめて重要。下は、2020年10月24日の、当サイトのメルマガ(マネードラゴン馬券塾)です。
□□□ うま部長のマネードラゴン投資馬券塾メルマガ □□□
東京4R 11:45
1人気の可能性がある11番は、素材は普通程度。
信頼度は低く、「小波乱」の可能性がある。

1人気を消しただけで、馬連5490円を10点的中。回収率は549%にも上りました。
このように、多くの票を集める1番人気は、消すことに成功すれば、大きな収益になります。例えば、1番人気が1倍台なら、ほかの人気馬を買うだけで、難なくプラスになります。
1番人気を切るには、1番人気をしっかり研究する時期も必要

競馬を当てるためには、1番人気を買うことが重要なのでは?
はい。1番人気の複勝率は、実に6割前後あります。競馬新聞社のエリートである、本紙予想家が土台を作り、さらには、内部情報をもとに大金を投じる関係者、稼いでいる腕利きの競馬マニア。彼らの投票が集まる、1番人気の信頼度は抜群です。
競馬を学ぶには、まず1番人気を研究せよというのは事実です。筆者も、新馬・未勝利戦をターゲットにした、2014年から約3年間は、1番人気の複勝をメインに研究しました。競馬を本当に理解するには、まず本命サイドから入るべきというのは、動かしがたい事実です。
しかし、年間収支を考える段階になると、1番人気の単複ではプラス決算が難しいのが実情です。配当が低めのため、収益を出すのが難しいからです。また、1番人気はオッズが安いため、軸を2頭設定するなど、アクシデント対策が取れず、軸1頭が不利を受けたら、すぐに不的中が決まる馬券になります。

なるほど! 1番人気の研究は不可欠だけど、段階を踏んで、1番人気に依存しない馬券を組み立てられるようになるべきですね。
まさに、その通りです。初めから穴党だった穴党はニセモノです。本命の研究を経ていないため、消し方を知らないからです。逆に本命党経由の穴党は、本物に成長しやすいはずです。
1番人気の複勝を当て続けても、年間プラスが実現できない理由

1番人気でも、複勝を高確率で当て続ければ、年間プラスも夢ではない?
はい、誰しもがそう思います。しかし、複勝120円の馬券で年間プラス決算を出すには、10回中9回の的中が必要です。
(1回100円投資) | 合計投資額 | 回収額 | 回収率 |
10回中10回的中 | 1000円 | 1200円 | 120% |
10回中9回的中 | 1000円 | 1080円 | 108% |
10回中8回的中 | 1000円 | 960円 | 96% |
能力の読み違いもありますし、未知数の馬の激走や展開が、展開がハマった馬の激走もあります。また、1番人気は、徹底的に不利を受けますので、よほど力差がないと確勝は難しいです。

たしかに、2020年のオークス1番人気のデアリングタクトの不利はすさまじかった。。
はい、その通りです。
- 1コーナー … 武豊・ミヤマザクラにプレッシャーをかけられ、ポジションを奪われる。
- 2コーナー … 川田・リアアメリアと接触し、手綱を引き後方へ。
- 向正面 … ミヤマザクラ、リアアメリア、レーン騎手・デゼルに閉められ、最内へ。
- 3~4コーナーの勝負所 … ルメール・サンクテュエールに外から蓋をされる。

正直、最後の直線を向いた際は「やられた」と思いました。それほどデアリングタクトの位置取りは、厳しかったですね。
このように、1番人気は非常に不利を受けます。
G1だけではなく、目立たない下級条件や未勝利戦でも大きな不利があります。そのため、1番人気を10回中9回当てるのは、至難の業。1番人気の複勝を当て続けても、年間プラスが実現できない理由がここにあります。
年間プラスが実現できる買い方は2つしかない!

1番人気に頼れないとしたら、どのように馬券を買えばよいのですか?
はい。1つは、「1番人気を切る馬券」です。例えば、2020年10月25日の、当サイトのメルマガ(マネードラゴン馬券塾)では、1番人気の17コントゥールを切り、10点で馬連3670円を的中しています。

1人気を切った場合、どの馬券を買うのかは、このあとまとめます。
2つ目の方法 1番人気を生かす
そして、ぜひ覚えておいていただきたいのは、1番人気を買ってもプラスになる方法があることです。それは、「1番人気-ヒモ穴」の組み合わせの的中です。
例えば、2020年10月25日の、マネードラゴン馬券塾では、単勝1番人気(複勝は2番人気)の2ミスフィガロを軸に指名。単勝は外しましたが、ワイドの的中で160%のプラス決算にまとめています。



1番人気が軸であっても、人気薄のヒモ馬(5番人気)を的中させることで、プラス決算にできるんですね。
はい。これは、競馬専門紙の本紙予想担当者がよく使う方法です。本紙予想では、勢力図が読者に分かりやすいよう、強い馬を本命にすることが求められます。しかし、これでは収支が厳しくなるため、いかに人気薄のヒモをひかっけるか、がポイントになっています。
例えば、馬サブローの関東古馬本紙は、加藤剛史記者です。
ヒント 1勝クラスの平場戦は、出走馬のレベルにもよりますが、比較的1番人気が強い条件です、


本命は1番人気のモーベットに打ってますが、ヒモの8番は12番人気、4番は9番人気ですね。
このように、1番人気から買う場合、ヒモに人気薄を選べるかが、ポイントになります。

馬連7780円が1点目で的中しています。

上に挙げたのは、加藤剛史記者の印ですが、2018年には年間2位、回収率91%を記録しています。全レース強制参加の競馬記者として、年間9割越えは非常に優秀です。
ただ、1つ指摘したいのは、1位を取った妹尾記者は穴党で、消したいときに1番人気を消せる権限を持っています。回収率の面では、1番人気を消す作戦は、爆発力があります。
1番人気の切り方は?

1番人気は、どのように切ればよいですか?
はい。まずは、混戦レースを選ぶことです。
クラス | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|
新馬 | 35.8% | 54.3% | 66.0% | 80 | 83 |
未勝利 | 34.6% | 54.5% | 68.1% | 78 | 85 |
1勝 | 30.5% | 48.3% | 61.7% | 75 | 82 |
2勝 | 30.8% | 49.1% | 61.7% | 77 | 82 |
3勝 | 30.6% | 47.5% | 59.9% | 80 | 80 |
OPEN非L | 33.5% | 51.3% | 60.7% | 80 | 78 |
OPEN(L) | 28.8% | 46.4% | 61.6% | 77 | 85 |
G3 | 29.8% | 46.9% | 57.2% | 80 | 77 |
G2 | 37.2% | 55.5% | 68.6% | 80 | 87 |
G1 | 42.0% | 57.3% | 70.2% | 95 | 92 |
障害 | 35.1% | 52.8% | 64.9% | 76 | 82 |
牝馬限定 | 31.1% | 49.4% | 62.5% | 76 | 81 |
ハンデ戦 | 28.1% | 43.4% | 54.0% | 75 | 75 |
平場 | 33.2% | 51.9% | 65.2% | 78 | 84 |
特別 | 31.3% | 49.8% | 61.5% | 77 | 81 |
やや大ざっぱですが、1~3勝クラスの特別戦、オープン戦(非リステッド)、障害、牝馬限定、ハンデ戦が、1番人気が飛びやすく、狙いとなります。
1番人気の切り方として、1つには、本紙予想家が示す自信度を参考にすることです。自信度が低い場合、1番人気は当然飛びやすくなります。自信度の表示がない競馬新聞なら、本紙予想家と看板予想家(=常に穴予想をする人を除く)の印がずれている場合、1番人気は飛びやすいです。
このほか、1番人気の前走のVTRを確認し、脚の使い方を見るのもコツです。「スタート下手」「ダッシュが悪い」「道中押して進む」「ジリ脚」などが、信頼度の低い1番人気に見られる脚の使い方です。また、定番ですが、オッズが3倍を超えた馬は、統計的にも弱みがあります。
ヒント 上の表を見て、荒れると言われる新馬戦、未勝利戦で1番人気が強いのが、気になる人もいるかも知れません。新馬戦、未勝利戦は、1番人気が弱いのではなく、下位人気が突っ込むことがときにあるという点で、荒れやすくなっています。
1人気を消せた場合、どの馬券を買えばいいの?

もし、1人気を消せた場合、どの馬券を買えばいいのですか?
はい、いくつか方法が提唱されています。
「逆単勝」 1番人気以外の単勝をすべて買う
すでに絶版になっていますが、1番人気が消せる場合、ほかの全ての馬の単勝を、資金配分して買う方法があります(逆単勝)。

1番人気 VS ほかの全ての馬 という勝負に持ち込むのですね? ほかの全ての馬が束になってプレッシャーをかければ、勝機はありますね。
はい。例えば、府中牝馬ステークス(2020年)で、1番人気の5番を消した場合です。

馬番 | 馬名 | 単勝 | 購入額[円] | 的中時払い戻し額 |
1 | シゲルピンクダイヤ | 15.4 | 100 | 1540 |
2 | ダノンファンタジー | 4.0 | 300 | 1200 |
3 | フェアリーポルカ | 4.7 | 300 | 1410 |
4 | サラキア | 20.2 | 100 | 2020 |
5 | ラヴズオンリーユー | 2.3 | 消し | |
6 | シャドウディーヴァ | 18.1 | 100 | 1810 |
7 | トロワゼトワル | 7.0 | 200 | 1400 |
8 | サムシングジャスト | 20.9 | 100 | 2090 |
1200 |
勝ち馬は4番でしたので、単勝2020円が的中し、168%の回収率となっています。
欠点としては、頭数が多く、1番人気のオッズが大きめ(例えば2.5倍以上)の場合、ほかの馬すべての単勝に資金配分しても、利益は出にくくなります。
一見夢のような方法ですが、実際にやってみると、単勝1倍台を消して勝たれてしまうなど難しい面もあります。冒頭で述べたように、まず1番人気の複勝を買う練習を積み、「1番人気が勝つ条件」を熟知し、その条件を裏返し、1番人気が消えるタイミングを知るというのが、たしかな上達のルートです。
なお、1番人気の取捨について書かれたもので、新しく、口コミが良いのは、以下の書籍です。
「単勝二頭流」 単勝2点買い
逆単勝と似て非なるものが、単勝2点買い(単勝二頭流)の理論です。例えば、上に挙げた府中牝馬ステークス(2020年)で、1番人気を消し、スピード指数上位2頭の馬を買います。

SP指数 | 前走SP指数 | 購入額[円] | ||
1 | シゲルピンクダイヤ | 73 | 73 | |
2 | ダノンファンタジー | 79 | 81 | 1000 |
3 | フェアリーポルカ | 76 | 75 | |
4 | サラキア | 76 | 78 | 1000 |
5 | ラヴズオンリーユー | 76 | 72 | 消し |
6 | シャドウディーヴァ | 73 | 75 | |
7 | トロワゼトワル | 72 | 76 | |
8 | サムシングジャスト | 74 | 73 | |
2000 |
このレースでは、スピード指数76が2頭いましたが、前走を参考にすると、2番、4番の単勝2点買いです。

単勝4番・2020円が的中しました。
ただし、これは、あくまで説明のための(都合のよい)事例です。実際には、軸馬が2着に惜敗したり、3着以下に敗れるなど失敗するケースも多く、本腰を入れた研究が必要です。
スピード指数2位、3位というのは、統計的な裏付けがある話ではなく、実際には、2番人気+(3、4番人気のどちらか)を中心に検討するとよいです。下のデータは、1番人気が3着以下に敗れた場合の数値です。勝率から、2番人気、ついで3~4番人気を検討すればよいことが分かります。
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 0- 0- 2232- 6120/ 8352 | 0.0% | 0.0% | 26.7% |
2番人気 | 2180- 1604- 838- 3730/ 8352 | 26.1% | 45.3% | 55.3% |
3番人気 | 1618- 1448- 838- 4449/ 8353 | 19.4% | 36.7% | 46.7% |
4番人気 | 1214- 1181- 755- 5202/ 8352 | 14.5% | 28.7% | 37.7% |
5番人気 | 898- 939- 743- 5772/ 8352 | 10.8% | 22.0% | 30.9% |
6番人気 | 712- 767- 623- 6241/ 8343 | 8.5% | 17.7% | 25.2% |
7番人気 | 499- 669- 524- 6638/ 8330 | 6.0% | 14.0% | 20.3% |
8番人気 | 348- 499- 438- 6996/ 8281 | 4.2% | 10.2% | 15.5% |
9番人気 | 282- 349- 393- 7091/ 8115 | 3.5% | 7.8% | 12.6% |
10番人気 | 209- 298- 268- 7069/ 7844 | 2.7% | 6.5% | 9.9% |
軸2頭流し
単勝2点買いがあるなら、軸2頭流しも可能です。1番人気を消すと、オッズが高めの馬が軸になるため、2頭をチョイスしても、プラスにするのは容易です。
例えば、2020年10月3日の、マネードラゴン馬券塾では、1番人気を消し、5番(3番人気尾)・8番(2番人気)の2頭軸で流し、ワイド980円を8点で的中しています。
(1番人気は勝ちましたが、2・3着でのワイド的中)

現在では、この方法は用いていませんが、やり方次第では、可能性がある方法論です。このレースは10頭立てでしたので、1番人気を切ると、候補は9頭です。9頭を検討するのは効率が悪く、よほど確かな比較基準を持たない限り、配当につられて人気薄を抜てきしがちです。
ここでも、少し上に挙げたデータから、2番人気+(3、4番人気のどちらか)を中心に検討するとよいです。
まとめ
筆者は、「逆単勝」、「単勝二頭流」、軸馬2点流しの全てに挑戦したことがあります。逆単勝は、自信を持って消せる馬はオッズが高めで、収益が出しにくい難点を感じました。単勝二頭流、軸馬2点流しは、1人気が買えないレースで、さらに頼りない2番人気以下を理詰めで選ぶ難しさを感じました。
初心者の方は、1番人気が飛べば必ず当たる「逆単勝」に魅力を感じるかも知れません。少し慣れている方は、「軸馬2点流しのワイド」が好バランスかと思います(ただし、1番人気以外の全馬検討は、効率が悪くおすすめしません)。
券種や点数は、確立や経験則を考慮すると、下が目安になります。
軸2頭 | 券種 | おすすめ合計点数 |
2~4人気から2頭 | 馬連(相手が中位人気) | 8 |
2~4人気から2頭 | 馬連(相手が下位人気) | おすすめしない(低確率) |
2~4人気から2頭 | ワイド(相手が中位人気) | 4 |
2~4人気から2頭 | ワイド(相手が下位人気) | 6 |
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