Q 東京ダート1400mの傾向と攻略法は?
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(JRA公式サイト)
(競馬場紹介)東京競馬場のダートコースは、日本ではとびぬけて大型の競馬場です。そのため、直線部分が長くなります(実はコーナーの間にも短い直線が仕込まれています)。直線を好むのは、小細工や紛れが要らない強い馬。そのため、ダートG1のフェブラリーSは東京ですし、以前はジャパンカップダートも施行された、華々しいチャンピオンコースです。
(東京ダ1400と似たコースは?)東京ダ1300のみです。
※短距離・マイルのダートは①1200m以下、②東京ダ1300・1400、③東京以外の1400m全て、東京1600に分け、①スピード系、②瞬発力(加速力と最高速度)系、③持続力(それなりの速度×スタミナ)系となります。
東京ダート1400mの予想例
3番・7番の2強ムード。瞬発力を測るため、前走の上りを見ると、3ロミオボスは37.0、7ハチメンロッピは36.7と小差。しかし、7は前走上がり1位(競馬ブックでは太字)かつダートの直線が短い阪神での記録であり、3番の東京での36.7よりずっと価値が高いです。
阪神コースは、西の東京コースといえ、直線が長いイメージですが、実はそれは外回りコース。ダートは、内回りコースとして作られており、直線は短めで、上りタイムは出にくいです。
ダートコースの直線の長さランキング(JRA全競馬場 直線の長さと急坂ランキング)
- 東京ダート(501.6 m)
- 中京ダート(410.7 m)
- 新潟ダート(353.9 m)
- 阪神ダート(325.5m)
- 京都ダート(329.1m)
筆者のメルマガでも、7ハチメンロッピは、①上りの性能は随一、②前走は内枠で出遅れたが今回は勝負仕上げで出遅れはなさそう、という理由で本命に推しました。
東京ダート1400mの意外なデータ(回収率が高い)
- 上がり上位が見込まれる3頭が3連複の軸
- 実は位置取りは最後方でなければさほど問われない
- 実はプロ馬券師が勝負を避けたがるコース
上がり上位が見込まれる3頭が3連複の軸
上り評価 | データ件数 | 複勝率 (%) | 複回値 (%) |
1 | 400 | 40 | 83.8 |
2 | 378 | 30.2 | 101.6 |
3 | 370 | 31.4 | 87.7 |
4 | 385 | 21.8 | 62.9 |
5 | 355 | 22 | 60.1 |
「意外なデータ」のタイトルですが、まずは東京ダート1400mでは外せない、瞬発力の高い(=加速が早く、最高速度が速い)馬の成績を確認します。上り評価上位3頭の複勝回収率が抜けており、3連複の軸なら、上り評価ベスト3が必要です。なお、単勝は勝率20.3%の上り評価1位がおすすめです。
瞬発力は、基本は前走の上りタイム(例えば36.0秒のように競馬新聞に記載の、最後の3ハロンの走破時計)が速い馬を選びます。
ただし、上りタイムは、3ハロン(600m)のなかに直線が占める割合が高いコースでは、どの馬でも速く出ます(例えば東京のダートは600mのうち501.6mが直線)。また、距離、馬場状態や、前半中盤のペースによっても、上りタイムは変動します。
- コース …東京、中京のように内回りがないコースは、実はダートも直線が長く上りタイムは速い。また、新潟はダートは内回りだが、そもそもコースが横長で、直線はやや長い。
- 距離 …短いほど疲れにくく、おおむね上りタイムは速い。
- 馬場状態 …やや重、重では、砂が固まりひづめ(人間でいう靴)をよく跳ね返すため、時計が速くななり、上りも速い。
- 中盤のペース …中盤が緩んだレースでは、全馬疲れないため、速い上がりに価値はない。
このように、上り上位3頭を選ぶと言っても、大変です。効率化するには、競馬新聞で目立たせる表示となることが多い、上り上位を過去に記録した馬同士をしっかり比べることです。
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実は位置取りは最後方でなければさほど問われない
脚質 | 出走数 | 複勝率 (%) | 複回値 (%) |
逃げ | 712 | 31.5 | 80.5 |
先行 | 1530 | 21.6 | 70.6 |
差し | 1644 | 19.5 | 69.6 |
追込 | 1900 | 12.7 | 71.4 |
東京1400ダートは、直線が長く瞬発力(速い加速と高い最高速度)を問うコースという理解で間違いありませんが、逃げ馬も健闘しています。
しかし、上のデータは、毎回負けている追走で精一杯の弱い差し・追込馬も含んだデータです。強い馬(上位人気)に絞ると、逃げ・先行・差しはほぼ互角となります。
予想脚質 | 出走数 | 複勝率 (%) | 回収率 (%) |
逃 | 339 | 48.7 | 82 |
先 | 459 | 45.5 | 81.2 |
差 | 399 | 48.9 | 85.9 |
追 | 290 | 38.3 | 72 |
まとめると、位置取りは最後方でなければさほど問われず、とにかく速い上がりを出せる馬ということとなります。ただし、強いて言えば差しはわずかに有利ですが、東京ダ1400ほどの数値ではありません。また、人気薄の逃げ残りがときどき発生しています。
- 東京ダ1400 …上り1位を記録しそうな馬を狙う。位置取りは問わない(追込除く)。
- 東京ダ1300 …上り上位を3頭記録しそうな馬を狙う。位置取りは問わないが、差しがベター。
実はプロ馬券師が勝負を避けたがるコース
最後に事実を述べてしまうと、東京1400ダートは、ペースや騎手の判断等で結果が入れ替わりがちで、馬券のプロは勝負をしたがらない攻略が難しコースです。
ただ、コース自体をつかむには、「上り1位を記録しそうな馬を狙う。位置取りは問わない」ということをまず押さえるべきで。
※データはいずれも過去4年間です。単勝回収率は、ブレが生じやすく採用していません。
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